連続百名店小説『続・独立戦争 上』HEAT 05「抑圧からの逃避」(玉笑/明治神宮前)

昨年の独立騒動を乗り越え人気を取り戻した女性アイドルグループ・TO-NA。しかしメンバーの卒業が相次ぎ、特別アンバサダー(≒チーフマネジャー)としてグループを支える渡辺タテルは新メンバーを募集することにした。
一方、独立騒動の結果業界から追放されたTO-NAの前プロデューサー・Fは、芸能事務所DP社社長の野元友揶(のもと・ゆうや)に声をかけ、「世界一を目指す女性ダンス&ヴォーカルグループ」のプロデュース、そしてTO-NA潰しを依頼する。
野元が週刊誌と手を組みタテルの悪評を垂れ流したことにより、TO-NAのオーディションは辞退者が続出。野元のオーディションで不合格になった訳あり候補生をTO-NA側に送りつけTO-NAオーディションの破綻を狙うが、タテルはその候補生に真摯に向き合い問題を解決しようとする。

*物語の展開(料理に関する記述除く)は実在の店舗と全く関係ございません。

  

「え?野元先生がCLASHと手を組んでる?」
「記者らしき人物がDP社を何度も訪れるのを目撃したらしい。野元社長が出迎えする姿も見たってよ」
「それで俺の評判を下げる記事を?嫌がらせかよ……」
「今回の記事はSNS上での告発だ。ファクトチェックもされてないし、タテルくんがやってないと言うのなら俺らは信じる。でも振る舞いには気をつけてな」
「はい。野元に嫌がらせされていようがいまいが、オーディションは公平に進めます。たとえ問題のある子でも、受け入れる術は探しきる」

  

一足先にオーディションを終えていた野元は遂に合格者をお披露目する。現場には報道陣や芸能関係者合わせて1000人超、そしてYouTube配信にはタテルとTO-NAメンバー含め同接視聴者が10万人。大勢の聴衆を前に高らかに自論を宣う。

  

「僕は一流に飢えている。元来食べ歩きが趣味の僕ですが、高い値段をとる割に美味しくない店が多すぎて困る。赤坂の○○は出汁が薄すぎる、六本木の○○は食材だけ豪華でソースが緩い、銀座の…」

  

「今何を聞かされてるんですかね」
「この人は高級レストラン酷評家の一面も持ってる。酷評してる自分に酔ってるだけのたぬき親父だけどな」
「タテルさん、口が悪いですよ!」
「でも確かにたぬきかも。今のところ文句しか言ってないもん」
「こんな自己顕示欲塗れの人にプロデュースされるのは嫌」

  

「おっと失礼。本題に入りましょう。今の芸能界、演技の巧い俳優女優、感動する歌を歌う歌手、心から笑かせてくれる芸人、何人いると思います?片手で数える程度しかいません。その状況、大変残念に思います。何故実力も無い人がテレビに出てちやほやされるのか?背後にはスポンサーの存在がある。スポンサーの顔色を窺い、見てくれだけが良い芸能人(笑)を出しておけば人が集まる。何とせこいやり口なんだ。これだからこの国のエンタメは世界から遅れをとるんだ!」

  

「殆どの芸能人が実力ない?言い過ぎですよね」
「こういう人が共通テストの現代文でひっかけ選択肢にひっかかるんだな。本文に書いてない内容を含む選択肢に」

  

「そんな現状を憂いて、僕は新しいグループを作りました。世界中の人々を虜にする女性ダンス&ヴォーカルグループ『THE GIRLS』です。カーテン、オープン!」

  

「おぉ、みんな可愛い!」
「確かに。でもちょっと元気無さそうだな」
「緊張してるんですよ。私たちだってお披露目の時はそうでした」

  

「容姿端麗かつダンスと歌のスキルが高い5人を集めました。この5人こそがこの国を代表する女性エンターテイナーになります。でも今の状態では皆さんにパフォーマンスをお見せできない。これからビシバシと育て上げます。そして楽曲は僕と信頼できる仲間で作ります。ピーチクパーチクぶんぶんぶんとしか言わない今時の曲とは大違いになることでしょう」

  

「全部がそういう訳じゃないですよ」
「ダンスミュージックとはそういうものだろ。何もわかってないんだろうなこの爺さん」

  

「THE GIRLSの成功は、この国のエンタメを世界一にする第一歩です。既存のグループも追随してほしいですね。ムリダロウケド」

  

「うわっ、バカにしてきた」
「まさしくたぬき親父」
「みんな、THE GIRLSの成功は祈ろう。でも俺らは違った魅力で対抗するんだ。それは別に野元をギャフンと言わせる訳ではない。TO-NAらしい切り口で人々を盛り上げる。良い案がある、固まったらまた周知するよ」

  

一方TO-NAのオーディション合宿。アリアのように恐ろしくビッグマウスの者もいれば、逆に恐ろしく寡黙な候補生もいる。
「バンビ、わからないとこあったら言いな」
候補生の1人が社交辞令っぽく話しかける。
「……」
「少しくらい喋りなさいよ!」
「……」
「あっそ。そうやってずっと黙っていても、誰も拾ってくれないよ。いいの?アンタ帰る場所ないんでしょ?」

  

するとバンビは候補生の頬を引っ叩く。
「痛い!何すんの?暴力だよ」
「……」
「そんなことするならとっとと出てって、歌舞伎町で立ってなさい!」

  

再びビンタするバンビ。
「何なのよ!もういい、アンタには一切話しかけない。そんなんでTO-NAに入れるとは思うなよ!」

  

その修羅場を見かけてしまったTO-NAメンバーの524。そこへ健康診断終わりのタテルが水ゼリーを飲みながら現れた。
「大変ですタテルさん。バンビちゃんが虐められて……」
「バンビか。喋らない子だもんな」
「でも強いこと言われたらビンタして」
「手出したか……ちょっと話つけてくる」

  

バンビに話しかけるタテル。小声すぎて外には全く聞こえない。30秒ほどして2人は廊下へ出てきた。
「524、蕎麦屋に行くぞ」
「ちょ、ちょっと待ってください。どういう流れですか⁈」
「俺が蕎麦食べたいから。誘ってみたらバンビちゃんも蕎麦の気分で」
「突然すぎますって。でも私も行きたいかも……」
「行列するよ。1時間は並ぶ」
「えっ⁈こんな暑いのに」
「バンビちゃんも了承してくれた。お腹空いた、早く行こう!」

  

平日の12:05着。最後尾から眺めると7人ほどの行列だが、間も無く店員がきて人数を訊かれた際、店員の持っていたボードにはざっと10組記名されていた。実は中待ちの部屋が右手に、さらに店内にも待ち席が1つポツンとあった。

  

あろうことか店内待ち席にはグルメ酷評家・野元が座っていた。この席は厨房とダイニングを繋ぐ通路上にあり、店員の往来が激しくて落ち着かない。
「けしからんね。厨房でのいざこざが丸聞こえだよ。食べる前にどれだけイライラさせるの?こういう店に美味いもの無い。苦行だけど筆が進むから耐えてあげるよ」

  

一方で平和な待合室で待つタテル一行。
「タテルさん、そろそろ私を524呼びするの止めてくれません?数字で呼ばれるの、囚人みたいで嫌です」
「じゃあ何て呼べばいい?」
「ナナで」
「それはそれで数字っぽいじゃねぇか」
「いいんですそれで。あ、ごめんねバンビちゃん、ほったらかしにして」
「……」
「バンビちゃん、何があったんですか?」
「実は俺もわかってないんだ」

  

バンビは西の大都市出身。家庭自体はどちらかと言うと裕福な方であったが、母親が何かと口うるさい、謂わば毒親というものである。
芸能界に憧れてダンスを始めたいと言うも聞き入れてもらえず、その代わり塾には3軒も通わされた。学校と塾の宿題に追われ余暇の時間は少なく、テストで100点を取れなかったら必ず小言を言われる始末。
食卓には揚げ物を一切出してもらえず、嫌いな緑黄色野菜を強制的に口に詰め込まれた。小遣いも無し、ゲームおよび友達と遊びに行くことも禁止され、漫画は学習まんがのみ閲覧を許された。

  

そしてある日、母が塾に迎えに行くとそこにバンビは居なかった。宿題を捌ききれず、友達の家に逃げ込んでいた。友達の家族も流石に夜通し預かることはできず、渋々バンビを家に帰した。そしたら烈火の如く怒った母が遂に手を出した。

  

耐えきれなくなったバンビは、母にバレないよう金を盗み、最低限の荷物を纏めて家出した。高速バスに乗って上京、THE GIRLSの2次審査を受けるも落選。恐らく母親との関係に懸念を抱いた野元がろくにパフォーマンスも見ず落とし、代わりにTO-NAへ斡旋する候補生名簿に載せた。野元はバンビを母親の元へ強制送還。案の定バンビは母親から虐待を受けることとなった。

  

「バンビちゃん、君には悪いことをしたよ。もしもう一度逃げ出す気持ちがあるなら、僕が協力してあげるよ。TO-NAというグループは知ってるかい?」
「知らないです。娯楽は禁止されているので」
「僕のところに負けず劣らずの人気グループだよ。どうやら追加募集がかかっているらしい。もし興味があれば、僕から担当者に伝えておくよ。あと航空券も送っておくから、安心して上京してきてね」

  

こうしてバンビは再び上京しTO-NAの合宿審査に参加したが、毒親の支配下に長くいた影響からか心を開けないでいた。そういった事情を、野元は一切TO-NAサイドに伝えていない。

  

1時間半以上待って漸く着席となった。メニューを眺めると、蕎麦前が充実していて目移りするものである。
「たくさん頼もう。もうお腹ペコペコだよ〜」
「タテルさん、それならすぐ入れる店選べば良かったじゃないですか」
「今日はここに来る気分だった。飲み物はビール頼もう」
「昼間からビール……」
「飲んでもいいだろ。俺は今日午後休だぞ」

  

生ビール。驚くほどシルキーな口当たり、さっぱりと別れる麦の旨味。ビールサーバーの手入れは丁寧と見た。

  

「相変わらず自由ですよねタテルさん」
「ああ。バンビちゃん、TO-NAの日常はゆるっとしてて楽しいぞ。練習は大変だけど、こうやってメリハリつけてみんな日々を楽しんでる」
心なしか表情が綻ぶバンビ。

  

まずは焼き味噌が仕上がった。遠くからでも感じ取れる香ばしさ。味噌の中には桜海老も入っていて、香ばしさが一層深まる。

  

「おやおやタテルちゃん、奇遇だね」
「野元さん⁈また店の悪口書きに来たんですか?」
「人聞きの悪いこと言うね。その手の質問には乗らないよ。あれ、僕が送ったバンビちゃんじゃないの。この子、本気で採ろうとしてる?」
「悪いですか?」
「別に構わないよ。でも本当に大丈夫かな?その子あまりにも静かすぎるよ。それにこの子は母親のことが嫌いらしいよ。親のこと大切にしない人に性格良い人いないからね、よく考えた方がいいと思うけどな。あ、そろそろ仕事しなきゃ。失礼するね」

  

「本っ当に酷いこと言いますねあの人」ご立腹のナナ。
「せっかく心開いてくれそうだったのに、また沈み込んじゃった……」

  

続いての摘みは海老西京味噌漬け。尻尾から身にかけては標準的な身の引き締まり具合であるが、頭の部分が香ばしくて味噌の香りである。
「海老味噌と西京味噌の味噌タッグは最強。こりゃ日本酒だな」
「よく飲みますね」
「ナナも少し飲むか?」
「飲まないですよ。この後レッスンありますし」

  

而今のフルーティな味わいは海老の野生味を平定する。時間経過で米の旨味が現れる銘酒である。真鍮の猪口に注ぐ時、猪口を押さえる指先がひんやりとする趣を味わうタテル。

  

「仕方ない、そしたら地方でのフェス計画について話させてくれ。バンビ、君も関わるかもしれない話だ、聴いておきなさい。まず開催場所は秋田だ」
「秋田って、あれ?どこでしたっけ?」
「阿呆かナナ。東北だ。この前カコニとカゲで旅番組やったでしょ?あの放送を見て秋田のお偉いさんが是非TO-NAの皆さんにも来てほしい、と仰っている」
「確かに食べ物もお酒も美味しそうでしたね」
「東北出身メンバーはTO-NAにいない。候補生にも残っていない。だからこそフラットな気持ちでフェスができるのではないかと思う。それにTO-NAが掲げる『親近感』とは、地元を大切に思う心でもある。秋田は人口減少が激しいと聞いた。影響力のあるTO-NAが秋田でフェスをやり、ファンはじめ多くの人々に秋田の魅力を知ってもらう。地元民には魅力を再確認してもらう。秋田への移住、そして地元民の残留を促進する上で、少しでも力になれればいいな、と思ってる」

  

真剣な面持ちで聴くナナとバンビ。そこへ出汁巻き玉子がやってきた。滑り込みで何とか1人分だけ確保していたものである。ふるふると柔らかく出汁の味がジュワッと出てくる。それが卵自体の味わいも立てており、おろしや醤油をつけるのが勿体無いほどである。

  

「実はもうフェスに向けて根回しを進めてある。この前の休みに1泊2日で秋田に行ってきて、フェスで食べ物飲み物出してくれたらいいな、って思う店を色々回ったんだ。秋田随一の焼肉、比内地鶏のつけ汁で戴く本格蕎麦、秋田の素材が光るイタリアン、暑い時期に合うかわからんけどおでんも」

  

「美味しそう」
バンビがぼそっと呟いた。
「おっ、食いついた?」
「はい」
「すごいですねタテルさん。心開いてくれましたよ」
「美味いものの前ではみんな笑顔になる。そうやって世界は回るんだよ」

  

目の前にも美味いもの、粗挽きそばが現れた。蕎麦の香り十分、そしてそれは上品に強く香る。つゆを微量つけると奥深い味わいになるが、何もつけないで食べるのが一番である。
「どう?これが本当のお蕎麦。研ぎ澄ませてご覧。大地の香りがするでしょ?」
「わかんない」
「そっか。まあ仕方ないね」
「私もわかんない」
「ナナは分かろうぜ」

  

「でも嬉しいです」
バンビが先程より大きめの声でタテルに言う。
「ご飯屋さんに連れて行ってもらうことなんて無かったから。お母さん、私に何も美味しいもの食べさせてくれなかった……」
「バンビちゃん……」
「お母さんは私を束縛するの。勉強ばかりさせられて流行りのゲームも女の子らしい遊びもできなかった」
「それは辛いね」
「束縛しても成績は伸びない。自称進みたいなやり口」
「だから家を抜け出してきたんです。手紙だけ置いて。あなたと一緒に暮らすのは限界です、自由にさせてください、って」
「思い切ったね……」
「相当鬱憤溜まってたんだね。よく抜け出してきたよ」

  

おかわりの汁なしそばを頼もうとすると既に売り切れ。とても美味しかったのだが、そばを食べた感じはしなかった。そばきりも頼めば良かったと思うタテルの会計は6000円台。量は少ないかもしれないが、質だけで見れば寧ろお買い得、並びさえ少なければ月一で通いたい店であるとタテルは感じた。

  

「となると親御さんの許可は得てない?」
「ないです。お父さんもいないですし。まずいですよね……」
「だから野元は嫌味言ってきた訳か。大丈夫、TO-NAサイドとしてはそのことを理由に切りはしない」
「ありがとうございます……」
「たださっき他の候補生をビンタしたことは謝ろう。いくら束縛の過去があるとはいえ、黙りこくって手だけ出すというのは問題だ。なあに、俺がついてる、気兼ねなく謝れ」
「わかりました」
「あともし合格したら、お母様には連絡してあげて」
「それはちょっと……」
「怒られそうで怖いよね。でもお母様が何も知らない状態で君の姿を見たら、もっと怒ると思う。それに因縁抱えたままでは活動に集中できないよ。なあに、最悪押し切ればいいさ。縁切るつもりで説得しよう。それくらいの覚悟があれば、君は間違いなくTO-NAでやっていける」

  

合宿場に戻ったバンビは約束通り、手出しした候補生に謝罪した。その候補生は、バンビが自ら言葉を発したことに驚き、怒りを忘れ謝罪を受け入れた。

  

一方、蕎麦屋から戻った野元はエイジを呼び出していた。
「タテルの母親に関する話、何か持ってる?」
「あります。古い価値観でニュースに物言うからと、母親のことを『歩くヤフコメ』なんて罵ってます」
「それは酷いね」
「本人は上手いこと言ったつもりで笑ってましたけど、物凄く不愉快でした」
「全くその通りだよ。実はこの前タテルに会ってさ、候補生と高級な蕎麦屋訪れていてね。オーディション終わってないのに特定の候補生を特別扱いして、それだけで不健全極まりない行為だよ」
「何考えてんだか、タテルの野郎」
「その候補生、僕が送りつけたうちの1人なんだけど、毒親の元から勝手に逃げ出して僕のオーデを受けたんだよ。まずいと思って帰した、でも虐待されてたら可哀想だからね、TO-NAに送って様子を見ることにしたよ。でも親からの許可が無いとなると、採用したら問題になるね」
「そりゃそうですよ」
「親を大切にしない者にはバチが当たるよ。雷様にお臍、盗られちゃうかもね」
撥を振るノリノリ野元に、エイジは作り笑いを浮かべた。

  

「TO-NAオーディション、最終合格者を発表します!」

  

改心したアリア含め、当初の予定通り8人の合格者を得ることができた。バンビも合格となり、タテルとの約束通り母親に連絡する。

  

「もしもしお母さん?」
「バンビ、心配したんだから!」
「ごめんなさい、勝手に出ていって」
「いや、謝らなければならないのは私」
「えっ?」
「実はね、末期の癌なの私」
「嘘でしょ……」
「余命半年。今は緩和ケアで持ち堪えているわ。病気になってやっと気付いた、自分の過ちに」
「お母さん、私ね、オーディション受けてたの。そしたらTO-NAというグループに入ることになったんだ」
「TO-NA……大丈夫なグループなの?」
「うん。メジャーなグループだしみんなすっごく良い人。大きなフェスもやる予定なんだ」
「バンビが幸せならそれで十分だわ。今まで縛りつけたりしてごめんね。私が傷つけてしまった貴女の心、皆さんに癒やしてもらって。私は余生をかけて、バンビの活動を応援します」
「ありがとう……」

  

「和解したようだね」
「はい。びっくりしました。突然落ち着いた口調になって。でもまさか余命宣告されてたとは……」
「バンビ、ちょっと見せたいものがある」

  

見せたいものとは、タテルが1年半前に主演したSPドラマ『トラベルドクター』である。
「余命僅かな人を人生最後の旅に連れていく、実在の医者をモデルにした作品なんだ」
「そんな取り組みがあるとは知りませんでした」
「飛行機や新幹線移動もできなくは無い。お母様の病状が悪化しない内に検討するといい。あと俺が考えつく最大の親孝行は、バンビが輝く姿を見せることだ。合格はさせたが踊りは未だキレが足りない。早速練習だ」
「はい!」

  

その裏で、合格者発表に潜入していたCLASH記者が、野元にバンビの合格を垂れ込む。
「今度こそTO-NAは終わりだ。檻に入りたまえタテルちゃん!」

  

TO-NA、新メンバー獲得のためまさかの誘拐疑惑!運営側は「毒親から解放するため」と説明も、スタッフの逮捕待ったなしか

  

「これは常軌を逸してるぞ!」
「大変だ、事務所の電話が鳴り止まない」
「事実無根の一点張りで頼みます、大久保さん。誰だこのCLASH記者。名前出せよ、卑怯者が……」

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