連続百名店小説『東京ラーメンストーリー』63杯目(五稜郭/荻窪)

グルメすぎる芸人・タテルと人気アイドルグループ「綱の手引き坂46(旧えのき坂46)」のエース・京子。2人共1997年生まれの同い年で、生まれも育ちも東京。ひょんなことから出会ってしまった2人の、ラーメンと共に育まれる恋のようなお話。今宵、人気番組『浜千鳥の神連チャン』に出演。

  

神連チャン、そして浜千鳥OUTキョコってるINまであと3曲

  

〜LEVEL8〜
①明日も/SHISHAMO
②強く儚い者たち/Cocco
③散歩道/JUDY AND MARY
④恋のつぼみ/倖田來未
⑤メリクリ/BoA

  

京子「倖田來未さんの『恋のつぼみ』でお願いします」

  

〜足湯に浸かりながらかき氷を食べる2人〜
山家「よく食うな」
テロップ「実はかき氷も大好きな2人」
大吾「今の子は真冬でもかき氷食べるんか?」
濱内「そうですよ」
大吾「ブルーハワイとかじゃないんだ」
濱内「進化してますから」
ナレーション「細かすぎる音程の変化に注意」

  

京子「ちょっと震えてきた。ここで終わる人多いんだよね」
ナレーション「そう、レベル8では数多くの女性挑戦者が脱落している。同じ坂道では檜坂のdrnが、そして54時間テレビのタッグモード大会では、京子の相棒スズカがミス!」

  

〜〜〜〜〜

  

「倖田來未さん好きだから選んだけど、レベル8となるとホント難しい」
「あの音程上下キツそう。魔界村みたいだよね」
「ちょっと何言ってるかわからない」

  

この日は荻窪の塩ラーメンの名店「五稜郭」に並ぶ。並ぶとは言ってもタイミング良く3人ほどの待ちで済んだ。事前に調べた通り塩ラーメンとがごめ昆布トッピング、京子のみいかめしも注文した。
「タテルくん、いかめし食べないの?」
「いかはあまり好きじゃないからね」
「いかの天ぷらは食べるのに?」
「揚げてくれればいいんだ。いかが幅を利かせすぎているのが無理」
「ふーん、よくわかんないや」
「好きな人に食べてもらった方が幸せだろ」
「それはそうね」

  

ラーメンがやってきた。旨味たっぷりの塩スープ。だが麺と合わせるにしたがって力が弱まってしまう、塩ラーメンの宿命に捕まってしまったタテル。
チャーシューは外がしっかり焼かれていて、硬さもあるが脂身で釣り合いがとれる。

  

「私もまだまだかな。歌で染みさせる自信がない」
「どうしたんだ京子」
「音程バーに合わせると表現の幅が狭まって。ドアノブさんに文句言われそう」
「ドアノブさんはプロレスしたいだけだって。本気で思ってる訳ない」
「…まあそうだよね」
「音程だけ気にしてたら染みるもんも染みなくなる」
「仕方ないのか」
「神連チャンは顔を売るための番組。結果を出せば皆注目してくれる。そしたら自由に歌えるようになるから」
「ありがとう。そうだ、とっておきの武器があるから楽しみにしてて」

  

〜〜〜〜〜

  

スタッフ「ここでお2人に応援ゲストが来ています」
ナンジャラホイ「どうも、ナンジャラホイで〜す!」
京子「うわっ…」
大吾「嫌がっとるな」
スタッフ「お2人とはどういうご関係で?」
ナンジャラホイ「一度番組で共演させていただいて」
京子「その時めっちゃダル絡みされて嫌でした」
タテル「アイドルとしての尊厳を踏み躙るようなことされてたよね」
京子「そうそう」
ナンジャラホイ「それ以来共演しようとすると、必ず京子ちゃんが体調不良になるんですよ」

  

ドアノブ「はいはい、仮病仮病」
濱内「違うでしょ。本当に体調悪かったんだって」
大吾「最低やな」

  

ナンジャラホイ「今日は京子ちゃんタテルさんを応援するためにネタやりたいと思います」
ドアノブ「それはクセスゴでやれ。今日は神連チャンじゃ」

  

〜爆笑が止まらない大吾、終始仏頂面の京子・タテル〜

  

スタッフ「京子さん、どうでしたか?」
京子「あの、食べ物を粗末にして何が面白いんですか?」

  

ドアノブ「うっせぇなコンプラババア」
濱内「ババアって言ったこの人!20代の子に対して!」
山家「それ言ったら大吾さん、大クソジジイなりますよ」

  

タテル「意味不明すぎて変な空気になりました。ここで失敗したらナンジャラホイさんのせいですからね」
大吾「石頭にはわかんないんだろうねこの面白さ」
ドアノブ「何もオモロいことできんくせに人のせいにすな」

  

〜ナンジャラホイを葬り精神統一する京子〜
京子「ナンフラしないようにナンフラしないようにナンフラしないように…」
大吾「何やねん『ナンフラ』って」

  

山家「頼む、神連チャンしてくれ。じゃないと勝てない」
ドアノブ「ここで終われぃ!お笑いわからん奴にMCの座渡すもんか!」
〽︎だけど…
濱内「あれ⁈倖田來未さんのモノマネ?」
山家「してるしてる」
ドアノブ「そんなことまでやんのか」

  

〽︎めちゃくちゃ好きやっちゅーねん!!!
ドアノブ「東京人が関西弁使うな!」
濱内「そういう歌詞ですから」

  

〽︎ドキドキに勝てない… (*_*)
濱内「ブラボー!」
ドアノブ「クッソ行きやがった…」
タテル「ああもうカッコいいし可愛い!」
大吾「気持ち悪い顔して」
京子「ナンフラしなくて良かったぁ!」
タテル「精神統一してるところからうっとりした。これからクリフハンガーを進むSASUKEの選手みたいで」
ドアノブ「たとえのクセ」
タテル「アソコがビンビンしちゃった!」

  

ドアノブ「ごっつい下ネタかますな!タテルも阿呆か⁈」
大吾「珍しいぞ、東大卒の阿呆って」
ドアノブ「変な癖(へき)がある。オンエアまでに捕まるんちゃう?」

  

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