連続百名店小説『東京ラーメンストーリー』60杯目(ひら井/国分寺)

グルメすぎる芸人・タテルと人気アイドルグループ「綱の手引き坂46(旧えのき坂46)」のエース・京子。2人共1997年生まれの同い年で、生まれも育ちも東京。ひょんなことから出会ってしまった2人の、ラーメンと共に育まれる恋のようなお話。今宵、人気番組『浜千鳥の神連チャン』に出演。

  

〜LEVEL5〜
①突然/FIELD OF VIEW
②Glass/河村隆一
③瞳をとじて/平井堅
④千の風になって/秋川雅史
⑤風に吹かれて/エレファントカシマシ

  

〜〜〜〜〜

  

この日は国分寺駅から府中駅方面へ歩く。2つの駅の中間地帯にあるのが「ひら井」。アクセスの悪い場所にあるにも関わらず大行列が出来ている。ラーメン屋に関しては、アクセス悪い場所の方が却って行列するのだと心得ておこう。

  

「5曲目…いけるかな」
「また弱気になって。タテルくん上手いから大丈夫よ」
「ありがとう。『千の風になって』は小学生時代の十八番だったんだ」
「随分しんみりとした小学生だね」
「でも低音が不安だな。出オチあり得る」
「それは避けたいね。ダサいし」
「無難なのはGlassかな」
「でも普通に歌っちゃいけないイメージついちゃってる」
「ホリケンタさんとヘッドボイサーがぶち壊したからね」
「ああ、それにしても寒いや」
「タテルくん、だから上着持って来なって言ったでしょ」
「歩いてると暑いんだもん。上着手に持つと邪魔だし」
「真冬に上着着ないの変だからね」
「そうだけどさ…ねぇ、手繋がない?」
「…仕方ないね。温めてあげる。うわっすごい冷たい」
「ごめんね、綺麗な手なのにこんなことさせて」
「いいのいいの。でも次はないからね。ちゃんとカイロ持って来ること」
「はーい」

  

1時間近く待って漸く席に着き、つけ蕎麦と対峙。動物性のコクが強く麺との相性も良い。問題はチャーシューの扱いで、勿論美味しいのだが1つ1つが大きく脂が多い上、冷たい麺の上に置かれているので脂が重くのしかかる。動物性のコク一辺倒だと余計にもたれるのであっさり要素も欲しいと年寄りは思う。
つけ蕎麦を頼む場合の立ち回り方としては、チャーシューなしのつけ蕎麦とチャーシュー丼を頼むと良いだろう。炙りがバチっと決まったチャーシュー丼は必食である。

  

「私はこの曲歌ってほしいな」
「なるほど。俺も好き。丁度良いじゃん、今俺ら『ひら井』にいるわけだし」
「運命だね。よし決まり、国分寺のまねきねこで練習しよう」

  

〜〜〜〜〜

  

タテル「ヒライケンサンカラ!ヒトミヲトジテ!」
ドアノブ「飽きた飽きたそれ」
山家「喉飛ぶやろ」

  

大吾「ほんでまた着替えてる」
濱内「ご老人っぽいメイク」
ナレーション「サビの頭『Your love forever』の突然高音へ上がる所が難しい!」

  

タテル「裏金のキックバックと居眠りで議員を辞めました、長崎のおじいちゃん政治家です」
〜爆笑する京子〜
濱内「時事ネタも面白い」
ドアノブ「どこがや」

  

タテル「この曲は音程が複雑だ。高音だけが難しい、と思ってる奴は頭悪いね」
ドアノブ「ストレートな悪口」
ナレーション「事実、練習では低音に苦戦していた」

  

タテル「けしさ…けしさ、け」
タテル「けしさ…けぇ!何故出だしが外れる…」
京子「考えすぎかも。力まない方がいいと思う」

  

タテル「高音は何とかなるんですよ。頭の低音は本当に誤魔化しが効かなくて、そこで皆失敗する」
京子「そうそう。低音が肝なのよ」
タテル「雄大さんも低音を不安がってた。だから低音でミスって『つまらない』と野次入れる皆さんは頭悪いね」

  

ドアノブ「コイツ殴っていいですか?」
大吾「インテリ面しやがって。顔面キックバックしてやる」
山家「オンエアやめましょう。いけすかない」
ドアノブ「コイツの存在自体が放送事故やんね」
大吾「ホンマそう。BPOに怒られるわ」

  

ナレーション「さらにタテルと京子から、浜千鳥の2人にお願いが!」
タテル「浜千鳥の御二方は頭悪い野次をなさるので視聴者に悪影響を与えます」
ドアノブ「何やと」
京子「もし私達が神連チャンしましたら、私達が代わりにMCやりましょう」
ドアノブ「はぁ⁈いい加減にしろ!」
京子「だってお2人共やたらYouTuberを敵に回してますよね。時代についていけてないです」
タテル「そうそう。YouTubeを馬鹿にするの、今時浜千鳥さんかヤホーニュースのコメンテーター気取りくらいです」
大吾「一緒にすんなあんな奴らと!」
タテル「キョコってるの神連チャン…最高だね」
京子「胸がドキドキしてきた」
タテル「というわけで浜千鳥さん、ご苦労さん。達者でナ」

  

大吾「何だこのクソジジイ」
ドアノブ「不愉快だ!くたばれ!」
濱内「そういうところですよ。2人が神連チャンしたら降板です」
大吾「『浜千鳥』の神連チャンやんけ。こんな不貞カップルにさらわれてたまるか」

  

〜口を開け斜め上を向き目を閉じるタテル〜
濱内「あったあったあの顔!芸が細かい!」
山家「おだてるな!」

  

︎〽︎消し去ろうと…
濱内「越えた!」
ドアノブ「体の動きがうるさい」

  

〽︎ユアア゛ァブウェウェバー…
ドアノブ「おいおい外れただろ今の!」
濱内「合ってますやん」
ドアノブ「何で赤が出ない!恥ずかしいやろ」
濱内「当たればいいんですよ」

  

〽︎置き去りにしてもぉ〜
タテル「危なかった〜!」
京子「あ〜良かった、途中変な声なってたから!」
タテル「なっちゃったよぉ、ホリケンタさんみたいだったよね」
京子「でも面白かったからセーフ!」

  

ドアノブ「どこがやねん」
大吾「もういい、映像止めよう」
濱内「何でですか。外してないでしょ」
山家「大して面白くない。ホリさんの二番煎じやん」
大吾「ホリの領域に入ろうなんて百年早い!」

  

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