連続百名店小説『東京ラーメンストーリー』59杯目(みんみん/八王子)

グルメすぎる芸人・タテルと人気アイドルグループ「綱の手引き坂46(旧えのき坂46)」のエース・京子。2人共1997年生まれの同い年で、生まれも育ちも東京。ひょんなことから出会ってしまった2人の、ラーメンと共に育まれる恋のようなお話。今宵、人気番組『浜千鳥の神連チャン』に出演。

  

〜LEVEL4〜
①世界でいちばん熱い夏/PRINCESS PRINCESS
②ごめんね…/髙橋真梨子
③オーケストラ/BiSH
④冬のファンタジー/カズン
⑤出逢った頃のように/Every Little Thing

  

〜〜〜〜〜

  

「タテルくん、この中だったら何聴きたい?」
「今の境遇を考えるとELTかな。でもBiSH好きなんだよね」
「へぇ。BiSH好きなんだ」
「声が特徴的だからね」
「タテルくん、声フェチなのね」
「別にそういう訳では…ほら、ドアノブさんも清掃員(*BiSHファンの総称)だし」
「いいね。そんな音域高くないから歌いやすいと思うし」

  

〜〜〜〜〜

  

京子「BiSHさんの『オーケストラ』でお願いします」

  

〜ラーメンを食べる2人〜
山家「あれ?ラーメン出てきた」
ドアノブ「初めてだぞ、この番組でガッツリ食事してるの」
テロップ「細かな音程の変化に注意」

  

京子「これ、タテルくんのオススメラーメンです」
タテル「BiSHのチッチさんが八王子出身ということで、みんみんさんの八王子ラーメン用意してもらいました。かえしの力強く効いたスープに麺がガツンと絡むんですよ」
京子「美味しいこれ」
濱内「美味しそう!」
タテル「八王子駅からバスで20分くらいというアクセスの悪さがまた良い」
京子「並ぶんだ?」
タテル「ちょっと並ぶね。でも中途半端な時間や平日を狙えばすんなり入れる」
京子「綺麗めなラーメンもいいけど、こういうワイルドな麺も大好き」
タテル「そうそう。玉ねぎはちょっと辛かったけどね」
ドアノブ「食レポの分量が多い!グルメ番組じゃないから!」
濱内「いいじゃないですか、渡部さんみたいで」
ドアノブ「渡部の名前出すな」

  

スタッフ「2人は喧嘩とかするんですか?」
京子「します結構。実は去年の最後の方で大喧嘩して、2ヶ月くらい口利かない時期ありました」
大吾「あらま」
タテル「その期間は本当つらかったですね。今まで失恋して落ち込む人のことを斜めに見ていたんですけど、いざ自分がその立場になると死にたくなるくらい悲しくて…」
京子「本当にごめんねタテルくん」
山家「急にしんみりし出したな」
京子「この曲すごく共感できて、ものすごく感情移入するんですよ。気持ち込めすぎて外さないよう気をつけます」

  

〜目が湿り出すタテル〜
大吾「湿りだ!」
濱内「しかも歌わない方が湿るという」
ドアノブ「よっしゃ、失敗フラグだ!さっさと終われぃ」

  

〽︎その手と手繋いで…
〜あまりの上手さに無言で聴き入るMC陣〜

  

〽︎この空だけ〜
ドアノブ「上手かった…」
濱内「よっしゃあ、いいぞいいぞ!」
京子「良かった…ってタテルくんすごい泣いてる」
タテル「すっごい染みた…」
ドアノブ「まあ確かに染みるけどさ」
タテル「京子の誰にも見せない姿とか愛おしくてさ、別れてからも夜空の交換しようとした。でも阿呆らしくなって諦めて、その度に涙が溢れたんだ」
ドアノブ「おいおい、『夜空の交換』パクるな」
京子「そんなに私のこと考えてくれていたんだ…」
大吾「京子ちゃんまで泣き始めたやん」
京子「もう二度と離れない。ずっと一緒にいよう」
タテル「ありがとう…」

  

山家「他所でやれ!公共の電波使うな!」
大吾「お涙頂戴要らんのよこの番組」
濱内「いいじゃないですか、素敵な関係性で」
山家「何でも肯定するな!」

  

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