連続百名店小説『東京ラーメンストーリー』58杯目(ほっこり中華そば もつけ/八王子)

この店は現在閉店しております。

  

グルメすぎる芸人・タテルと人気アイドルグループ「綱の手引き坂46(旧えのき坂46)」のエース・京子。2人共1997年生まれの同い年で、生まれも育ちも東京。ひょんなことから出会ってしまった2人の、ラーメンと共に育まれる恋のようなお話。今宵、人気番組『浜千鳥の神連チャン』に出演。

  

〜LEVEL2〜
①エジソン/水曜日のカンパネラ
②北ウイング/中森明菜
③時代/中島みゆき
④これが私の生きる道/PUFFY
⑤ミニモニ。ジャンケンぴょん!/ミニモニ。

  

〜〜〜〜〜

  

「次はもつけリベンジね。タテルくんが苦い顔してた」
「ああ、担々麺食べたかったけど京子の目線が怖かったアレか」
「そんなに怖かった?」

  

出逢ったあの日と同じように八王子駅を南口へ抜け、16号に出てもつけの前に来た。あの日とは違って夜営業は中止、15時くらいまでの営業となっていた。そしてあの日とは違って行列ができており、店舗傍の軒下まで延びてざっと20人待ち。先に食券を買って並ぶ(もし買わずに並んでも、後述する前へ出るタイミングでささっと買えばいいだろう)。他愛のないお喋りをしていれば40分の待ちなどあっという間である。
「やっぱ京子といったら中森明菜」
「歌いたいね。リストに入ってるのこれだけ?」
「っぽいね。他の曲は皆レベル1とか3とか5だから」
「了解。じゃあこれしかないね」

  

〜〜〜〜〜

  

京子「中森明菜さんの『北ウイング』でお願いします」
大吾「渋いところいくね」

  

ナレーション「『すこし』の低音から高音へのジャンプは音を外しやすい!」

  

スタッフ「京子さんはなぜタテルさんに惹かれたのですか?」
京子「同じ1997年生まれで東京都出身、血液型もA型で興味湧きまして」
山家「東京都出身でA型?一番ありふれた組み合わせやん」
京子「あ、あと錦鯉は隆さんの方が好き、というところも一緒です」
大吾「どうリアクションすれば?」
スタッフ「スタジオにいる4人の中で最も好きな方は?」
タテル・京子「ああもうそれは、断然濱内さんです!」
濱内「きたっ!」
タテル「濱内さんは立派な文学者。しょうもないことをあれだけ漫才として語れるのがすごい」
京子「そうそう。バラエティでの立ち振る舞いが完璧で、ちょっと狂気あるけど裏ではめっちゃ優しいところとか好きです」
濱内「見る目ありますね」
京子「その点タテルくんも濱内さんみたいな性格で大好きなんです」
濱内「タテルくんと一緒はちょっと嫌かな…」
ドアノブ「ええやん別に」
スタッフ「他のお三方は?」
タテル「山家さんは知性あるアピールがキツいです」
山家「どういうことやそれ」
京子「もう口にはできませんけど、綱の手引き坂メンバーを怖がらせたあの一件は永遠に許せませんし」
山家「まだ言います?」
タテル「浜千鳥さんは全然ダメ。大吾さんはジジイでドアノブさんはヤ○ザ」
大吾・ドアノブ「じゃかしぃわ!」
京子「『染みない』とか『何をしとん』とか言うのめっちゃ腹立つ」
タテル「そうそう。芸能界イチの歌下手コンビが何ほざいてるんだって」
ドアノブ「シンプルに不快です!外せ外せ!」

  

〽︎夢の中へ…
大吾「明菜ちゃんやん!」
濱内「上手いなぁ」

  

〽︎Love Is The Mystery…
ドアノブ「染みる、島谷より染みる」
山家「やめなさいって」

  

〽︎すこし不安よ〜
京子「やった!」
タテル「ああもううっとりしちゃった。さすが京子」
京子「緊張解けてきましたね」

  

ナレーション「続いて、レベル3」
〜LEVEL3〜
①恋人/鈴木雅之
②LOVE YOU ONLY/TOKIO
③初恋/村下孝蔵
④home/細魚
⑤いつまでも変わらぬ愛を/織田哲郎

  

〜〜〜〜〜

  

前から9番目の位置まで列が進んだ。9番目までは店の前に並ぶことができるという案内が貼ってあったので2人は前へ出る。しかしその後ろにいたみなみかわ似の男性は列が進んでも前に出て来なかったので、余計なことしたかもしれないと少し焦ってしまうものである。
「細魚表記ワロタ」
「芸が細かいよね。ちなみに俺の友達はカラオケ行くといの一番にhome歌う」
「何それ、帰りたがりじゃん」
「これしか歌えないんだって。でもこれラスサビだから難しい、ってかわからない」
「そうなんだ」

  

今回は担々麺を選択した2人。食券回収時に「辛いけど大丈夫か」と確認されるのだが、その言葉の通り辛さと痺れが強く効いていて汗が噴き出す。でも胡麻のコクも感じられるから優秀な担々麺である。スープの力強さがあまりにも麺と馴染んでおり、具材を大分残したまま麺を食べ切ってしまった。チャーシュー、生姜の効いたワンタンは通常のラーメンに合わせるべきもので、味玉担々麺くらいが丁度良いだろう。

  

「あ〜辛い辛い、ビール飲みたい〜」
「タテルくん、酒は控えるんじゃなかったっけ?」
「そうだけど…そうだよな」
「カラオケ行こう。ノンアル飲めばいいじゃん」
「酒飲むと練習にならないし、そうしよう…」

  

駅前のカラオケ館で練習する2人。
「ア゛ァ〜!」
「タテルくん力み過ぎ。もっとリラックスして歌うと高音出やすいよ」
「ありがとう。京子にアドヴァイスしてもらえるなんて幸せだ」
「で3曲目はどうしようか?」
「序盤だから盛り上がる曲にしたいよね」

  

〜〜〜〜〜

  

タテル「先輩の曲にしましょう。トキオサンカラ!ラブユーオンリー!」
ドアノブ「その言い方やめろ」
山家「ジャニーズ面すな」

  

ドアノブ「また着替えてる」
ナレーション「全体的に高めのキーで、体力を奪われやすい!」

  

山家「料理人?」
タテル「ジョプチューンで合格不合格の札を出すときやたらクルクルさせる寿司職人です」
ドアノブ「何それ」
濱内「細かすぎるモノマネ出れるぞ!」
大吾「出れるか!」

  

スタッフ「お2人はラーメンを食べ歩いているとのことですが、スタジオの4人をラーメンに喩えると?」
京子「濱内さんは八王子もつけさんの担々麺ですね。あのカラシビ感が、目のガンギマった濱内さんと重なります」
タテル「わかる。めっちゃ印象に残るしクセになるよね」
濱内「いいぞ2人とも!」
タテル「山家さんはクリーンなシーフードの印象が強いので蔵前の改さんですね」
山家「どういう印象?褒めてるのか貶してるのか」
京子「大吾さんはギトギトギラギラのイメージで三田の二郎」
大吾「まあわかるけど」
京子「ドアノブさんは恐ろしくシンプルなのでサッポロ一番みそラーメンです」
ドアノブ「俺だけインスタントやん」
タテル「ね。池ちゃんの歌に『シンプルすぎ』とか言っておいて自分が一番シンプルという」
ドアノブ「おいナメとんのか、クソが!」

  

〜涼しい顔で構えるタテル〜

  

〽︎これはデートなのか…
大吾「寿司職人がTOKIO歌うってどういう画?」

  

〽︎君が君が 熱い恋をするなら…
ドアノブ「腹立つな」
濱内「ギャロップ林さんばりの全力歌唱!素敵!」
山家「好かれてるからっていい気になるな」

  

〽︎世界で僕しかいない〜
タテル「やったあ!クルクルクルクルクルクルクルクルクルクルクルクルごうかぁく!」
大吾「クルクル多いな」
山家「途中朋ちゃんダンスしてるし」
京子「タテルくんカッコいい!」
ドアノブ「どこがやねん」
タテル「調子出てきた!このまま全品合格だ!」
ドアノブ「早よ終われや」

  

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