人気女性アイドルグループ「綱の手引き坂46」の元メンバー・京子と、綱の手引き坂→TO-NA特別アンバサダーを務めるグルメ芸人・タテル。2人がラーメンについて語り合うYouTubeチャンネル『僕たちはキョコってる』が人気を博している。今宵、日曜ゴールデンの番組『浜千鳥の神連チャン』に2度目の出演。サビを音程を外さず10曲連続で歌い切ったら200万円が貰える人気企画に挑む。
(各曲のレベルはオマージュ元に準拠。オマージュ元未登場の曲は某まとめWikiの予想曲リストを参照して掲載)
ナレーション「神連チャン達成、そして結婚&浜千鳥ご祝儀まで残り4曲。続いてレベル7、何を選ぶ?」
〜LEVEL7〜
①M/PRINCESS PRINCESS
②くじら12号/JUDY AND MARY
③君は夕張/綱の手引き坂46
④Moon Crying/倖田來未
⑤Everything/MISIA
京子「思い切って古巣の曲歌います。綱の手引き坂46の『君は夕張』で」
ドアノブ「君は夕張?どんな歌やねん」
大吾「大箱キャバクラの曲やろ。中身なんてないない」
濱内「失礼な。夕張メロンみたいに甘やかな女性にときめいた、という歌ですよ」
大吾「気持ち悪っ」
ナレーション「高音域が続く中、正確に音程の変化を捉えるのは至難の業」
ドアノブ「あれ?タモリさん?」
———
「京子、レベル7に綱の手引き坂の曲入ってるけど、まさか歌わないよね?」
「歌わないかな。私が卒業した後の曲だから歌い込んでないし、今のTO-NAのメンバーにも失礼」
「1人で歌うような歌でもないし、歌い慣れてる曲の方が確実だよね」
そうは言ってみたものの、京子が綱の手引き坂を歌う姿も見てみたいタテルはメンバーに相談してみようと考えた。
年末、メンバー・スタッフ総出で水上のスキー場に出かけたTO-NA。エースメンバーの1人で、綱の手引き坂時代の『君は夕張』ではセンターを務めた陽子は寒いのが苦手でホテル内のカフェで独り休んでいた。そこへタテルがやってくる。
「暑ちぃ…体動かしてるからかな、案外暑いもんだね」
「タテルさん暑がりなんですね。私なんてもうガクガクブルブルで…」
「スノーレジャーは嫌だったか?」
「いえいえ、寧ろ楽しいですよ!寒いのが身に堪えるだけで…」
「無理は禁物だ。実は陽子に相談があってさ、今度俺と京子が神連チャンに出て、京子が『君は夕張』を歌う可能性があるんだ」
「…ホントですか⁈歌って欲しいです!」
「京子はみんなに失礼になるんじゃないかと心配していた。陽子の言葉で説き伏せてもらえたら嬉しいな」
「かしこまりました!」
「あと、京子に陽子の扮装させてもいいかな?」
「え〜、そこまでしていただけるなんて、光栄ですよ」
「良かった。ネタなんだけど、これどうかな?」
「ちょっと恥ずかしいけど…問題無いです!」
「今となっては笑い話だからな。陽子はよく成長した。頼もしいよ」
帰京して翌日、年内最後のラーメンを東中野のキナリにて食べることにしたタテルと京子。前には8人待っていたが、これを短いと捉えてしまうくらい行列には慣れっこの2人である。
「タテルくん、陽子ちゃんに変なこと吹き込んだでしょ」
「変なことって何よ」
「私が『君は夕張』を歌うかもしれない、って言ったんでしょ?」
「言ったよ」
「陽子ちゃんから連絡来たからね。まあ歌ってもいいけど。むしろ歌いたいし。でも失敗する可能性の方が高いよ。計画、台無しになってもいいの?」
「その時はその時だ。俺にはTO-NAを世に広める責務もある。陽子になりきってやるなら、この曲を歌うしかないんだ」
「わかったよ。やれるだけ頑張ってみる」
食券は並んでいる間に店員の指示を受け購入する。20分程して続々と席が空き、その流れで入店する。カウンター4席の他テーブル席もあるが、狭い店内における動線確保の都合か壁際にしか座れず、総席数は決して多くはない。

この店には特製という概念が無く、タテルは醤油ラーメンの肉増しを注文した。

まっさらな醤油の味わいの中に光る魚介の香りが良い。この辺はフランス料理人の腕が為せる業である。

しかし気になるのはチャーシュー。岩中豚という良質なブランド豚を使っているのだが仕上がりはカチカチ。どうしたものかと嘆くタテル。鶏は一転して、生焼けではないかと不安になるくらいプリプリしている。
「タテルくん気にしすぎ。そんな簡単にお腹壊さないよ」
「年末年始って体調崩しやすいじゃん。どうも神経質になる」
「自覚あるんだね。はい気にしない気にしない!」
「でも…」
「私がそばにいるから、安心して」
「京子…」


和え玉も頼んでいた2人。口に含むと磯の香りがプンプンし大満足の京子。タテルはスープを入れて少し香りを丸め込んでから食べることにした。
「私が陽子ちゃんのメイクする時、タテルくんはどんな格好するの?」
「コソコソコソコソ…」
「大丈夫なのそれ?」
———
ジョニー森田「こんばんは、タモリです」
ドアノブ「京子ちゃんは誰の真似だ?」
森田「オープニングは綱の手引き坂46の皆さんです。どうですかセンターの陽子ちゃん、これからのパフォーマンス?」
京子「は、初めての歌番組なんですけど、ががが頑張ります…」
大吾「声震えとんな」
森田「声が震えてるけど大丈夫か?」
京子「…」
タテル「頑張れ!」
︎声ブルブルです、足ガクガクです、緊張しちゃったならはっちょーです!
濱内「風邪薬のCM…おえど男子の新大橋くんだ!」
タテル「緊張するよな。でも大丈夫、頑張れよ!」
京子「ありがとうございます…」
ドアノブ「おい待て炎上するやろこれ!」
大吾「おえど男子のファン絶対キレるやろ、こんなキモ豚にモノマネされて!」
スタッフ「こ、これは…」
ドアノブ「ジョニーさんの無駄遣い!」
タテル「Mステでうちの陽子がアホみたいに緊張して、その時におえど男子の新大橋くんが励ましてくれたんですよ。それの再現です」
ドアノブ「それで何がしたいん?」
タテル「おえど男子の皆さんには本当に感謝感激雨霰なんです」
ナレーション「去年巻き起こった、綱の手引き坂の独立騒動。独立を果たしTO-NAに改名した彼女達を待っていたのは、バッシングの嵐であった」
タテル「その風潮に逆らうように手を差し伸べて下さった方々も沢山いて、まず忘れてはいけないのはおかまたちさん。TO-NAが置かれた状況に、真っ先にNOを突きつけてくださりました」
山家「本当良かったよ、TO-NAが戻ってきてくれて」
タテル「そして新大橋くん。すごく良い人で、忙しい中でもTO-NAのパフォーマンス観て褒めてくれて。会うといつも明るくエールを送ってくれて、TO-NAのみんなを元気付けてくれるんです」
京子「陽子ちゃんが緊張で震えていた時私も綱の手引き坂にいたんですけど、おえど男子のファンの皆さんも優しくて」
タテル「通称『てやんD(でー)』ね」
京子「お互いのファン同士で交流が生まれて、それってすごくいいな、胸が熱くなるというか」
タテル「友達の輪、ですよねタモさん」
森田「あ、あごめん。完全に気抜いてた、いいとも!」
大吾「急にフるなよ」
ナレーション「TO-NAを貶める大勢に押されることなく、救いの手を差し伸べてくれたおかまたちとおえど男子へ。感謝の想いを載せて、古巣綱の手引き坂の楽曲で挑むレベル7、果たして?」
濱内「嬉しいけど…失敗フラグが立ったな」
大吾「失敗すればいい」
山家「何を言うんですか!さっきキモ豚とか言ったの、許してませんからね!」
〽︎今となってはそんなに誰も騒いでないから…
山家「アイドル曲意外とムズいんですよ」
大吾「そりゃそやろ。みんな口パクなんだから」
ドアノブ「やめろ、ヤフコメのジジイやん」
〽︎君は夕張 黄色いメロンさ
大吾「知っとるわ。だからなんじゃい」
濱内「最後まで聴いてください」
〽︎少し古い産地だけど いつでも僕は首ったけだ
京子「やったあ!」
大吾「結局わからなかった。何『古い産地』って」
京子「TO-NAのみんなに顔向けできる、良かったあ!」
タテル「この曲難しいから他のにしよう、って話もしてたんですけど、しっかり決めてくれて。感謝ですね」
京子「タテルくんの励ましのお陰で頑張れた。メリークリスマス!」
ドアノブ「クリスマスは終わった!」
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