連続百名店小説『東京ラーメンストーリー』111杯目(三馬路/神田)

人気女性アイドルグループ「綱の手引き坂46」の元メンバー・京子と、綱の手引き坂→TO-NA特別アンバサダーを務めるグルメ芸人・タテル。2人がラーメンについて語り合うYouTubeチャンネル『僕たちはキョコってる』が人気を博している。今宵、日曜ゴールデンの番組『浜千鳥の神連チャン』に2度目の出演。サビを音程を外さず10曲連続で歌い切ったら200万円が貰える人気企画に挑む。
(各曲のレベルはオマージュ元に準拠。オマージュ元未登場の曲は某まとめWikiの予想曲リストを参照して掲載)

  

ナレーション「京子にバトンタッチして、レベル3」
ドアノブ「続けるな!不愉快だ!」

  

〜LEVEL3〜
ただ泣きたくなるの/中山美穂
となりのトトロ/井上あずみ
③唇よ、熱く君を語れ/渡辺真知子
④ひだまりの詩/Le Couple
DEAR…again/広瀬香美

  

京子「Le Coupleさんのひだまりの詩でお願いします」

  

大吾「またぢわさん出てきた」
山家「目がクリクリやな京子」
ドアノブ「ほんでタテルは何白く塗っとんねん」
テロップ「細かな音程の変化に注意」

  

———

  

ある日の晩、仕事終わりに神田駅で落ち合った2人。京子は神連チャンの収録が終われば間も無く主演ドラマの制作期間に入るため、演技レッスンや単発の仕事を積極的に受けている。タテルもTO-NAのライヴが控えていて準備に追われていた。
「めっちゃ疲れた。でもタテルくんの顔見ると疲れも吹っ飛ぶね」
「俺もだ。2人でラーメン食べに行くと心が和む」

  

金曜の夜19時半で前に3人。すぐ空くようにみえるが、店主とバイト2人しかおらず空いたカウンターの片付けに時間がかかる。おまけに片付けが済んでも席に案内するまで謎のラグがあり、寒いから早く入りたいと思うタテル。
「寒いのは上着着てこないからでしょ」
「電車の中は暑いんだもん。弱冷房車があるなら弱暖房車もあれよ」
「まあそれは思う」

  

10分程待って入店する。ラーメンを待っている間、4人組で来て2人だけラーメンを食べるとかほざく野郎共がいたが店主に丁重に追い返された。ラーメンに真剣に向き合う者として、タテルはその4人組に怒りを覚える。

  

注文したのは特製の塩ラーメン。スープは何かが突出して強い味を主張している訳ではなく、バランスのとれた上品な味わい。菅野製麺所の麺は軽やかであり、スープと合わせてスッキリと咀嚼。上品な仕上がりである。
チャーシューは味付けが相対的に少し濃い。鶏チャーシューはシコシコした食感が特徴的で綺麗。味玉は控えめな味わい。海老ワンタンは海老らしい旨味がもう少しあると良いが難しいものである。
にんにく味のペーストで少しばかりのパンチをかまし、ゆずで爽やかさを加える。それでもベースの繊細な旨味は残っているから凄い。

  

三ノ輪への帰り道、日比谷線の車内にてタテルは不満げであった。
「今週京子が出てるトレインTVのグルメ番組、全然観れないんだよな。いっつもももプラさんかHIKYOKINさんの番組にあたる」
「狙って観ようとすると遭遇しないんだよね」
「メトロの車内でも流してほしいよ。何この化粧品のCM?手の動き変すぎ」
「待って、これを扮装のネタにしたらどう?タテルくんって変な動きするの特技だもんね」
「何だよ、変な動きが特技って」
「この映像よーく覚えといて真似しよう」
「どうせなら動き3倍くらい多くしない?デフォルメすれば大受け間違いなしだよ」

  

———

  

〜KOSEの電車CMで、手の動きが独特すぎる今田美桜と吉野北人〜
ドアノブ「わかんねぇの来た…」
山家「こんな手動かす⁈京子にやらすなよ!」

  

スタッフ「こ、これは…」
京子「電車内のCMに出てくる今田美桜さんが可愛くて、やってみました」
タテル「タージっすね。美桜ちゃんギザ可愛い。同じ九州人としてアッシャー系っすね」
大吾「RAMPAGEになり切れてない」

  

タテル「先は長いからさ、ブチ上がるドリンクキャリーしてきたしんよ」
ドアノブ「なんでクロちゃんの語尾やねん」
タテル「ユンケル黄帝液、L、ゴールド、ロイヤル、ロイヤルプレミアム、プレミアム、DCF、40、L40DCF、Ⅱαを混ぜちゃいましたキャッホー」
大吾「阿呆なドリンク」
タテル「京子も飲もうぜ!」
タテル・京子「今日も元気にワンツーイヤホイ、シャアシャアシャア!」

  

〜腕の動きが10倍になるタテル〜
ドアノブ「もう湯浅弁護士なんですよ」
タテル「ヘモグロビンがボヘミアン〜、ヴェスヴィオから吹き出してアラビアータ、アッバースの首都はバグダード」
山家「横文字使えばええと思ってる」
ドアノブ「京子ちゃんが引いてる」
京子「何言ってるか全然わかんないです」
タテル「わかんなくていいのサマセットモーム」
京子「…」

  

山家「変な空気のままいった!」
濱内「やめろ、ここで終わるな!」
ドアノブ「終われ終われ、あやつらを生かしておくものか!」
〽︎窓辺に揺れる…
濱内「低音が映える!やっぱ上手いな」
ドアノブ「だからこそタテルが邪魔やねん」

  

〽︎どんなに言葉にしても足りないくらい…
濱内「高音も綺麗だな〜!」
〜否定できない浜千鳥〜

  

〽︎まるで ひだまりでした
京子「やった〜!」
タテル「もうエベレスト越えてオリンポスタージっすね、マーズまで3,2,1,ファイヤー!」
大吾「ダメだもうついていけん」
タテル「ドアノブさん!今度一緒に飲みに行きましょう!」
ドアノブ「誰が行くねんこんなジジイと」
濱内「ジジイのターンは終わりました」

  

NEXT

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です