連続百名店小説『めざせポケンモマスター』No.021:おすしとともになぞかけはいかが?(鮨つぐ/馬車道)

ポケンモマスターの道を歩み始めた、ヨコハマシティヤマシタタウンに住む18歳の少女・スミレ。優しい心の持ち主にしか姿を見せない希少ポケンモ・カビンゴを筆頭に個性豊かなポケンモ達を揃えている。
☆スミレの手持ちポケンモ(現時点)
・外に出てスミレと共に歩く
カビンゴ(アブノーマル派)
・カプセルに入れて持ち歩き
ユーカク(ほむら派)
スーミュラ(アイス派)
ハムライピ(ダーク派)
ムテキロウ(アルティマ派)
・そもそも自分自身
スミレジェ(ぶりっ子派)

  

「カビンゴちゃん、付き合おう!」
「ンゴッ!ン〜、おはようだンゴ」
「おはようカビンゴちゃん。今日も可愛いね」
「スミレさんも可愛いンゴ」

  

カビンゴのさとでの出来事から4ヶ月。季節はすっかり夏になっていた。その間様々なポケンモとファイトを重ね、うち数匹を捕獲。スミレ宅の庭は賑わいを見せている。さらに、ヨコハマシティのメジャー大会「春のチャーミングカップ」において、熟練のトレーナーも参加する中ベスト4まで進出。これはかなりの健闘であり、スミレの肩書きにひとつ箔がついた。

  

「今日は何をするンゴ」
「午前中はポケンモ達みんなでトレーニング、お昼ごはん食べて昼寝したらお買い物、そして夜はお寿司!」
「お寿司、大好きンゴ!」
「3ヶ月以上前から予約する店なんだ。もう楽しみで楽しみで」
「廻らないお寿司ンゴ?」
「廻らないよ。全部お任せで出してくれるの」
「贅沢ンゴ。楽しみ楽しみだンゴ」
「あらあら、ぴょんぴょん跳ねちゃって。元気で可愛いね」
「元気モリモリだンゴ!」

  

一方のボケット団御三方(通称:ミサネコ)は、未だスミレのカビンゴをマークし続けるが中々捕まえられない。おまけに圧縮機とUFOの購入に多額の資金を投入し(ておきながら失敗し)たため大幅減給となっていた。
「ただでさえ少ないお給料が……」
「もやし生活でもカツカツ……」
「お寿司、お刺身、煮付けに西京焼き……美味しいお魚が食べたいニャ!」
「腹減るようなこと言うなよドラネコ」
「そう。お前は捨てられた骨しゃぶってりゃいいの」
「惨めにも程があるニャ!」
「じゃあもっと活躍しなさいよ」
「アンタらもニャ。カビンゴくらいサッと攫うニャ」
「他人事みたいだな。ムカつく」
「とにかく、今日こそアザトトガールのカビンゴを捕まえる!いいね」
「ラジャー!」

  

バシャストリートでの買い物を楽しむスミレとカビンゴ。この日のカビンゴはロックなコーデを想像していた。
「このスタッズジャケットが欲しいンゴ」
「え〜めっちゃ似合う!着てみたら?」

  

「前が全然閉まらないンゴ」
「アハハ、閉まる気配がない!可愛いねぇ」
「ただの肩掛けンゴ」

  

「あれ、貴女はスミレさん?」
「はい、スミレです!」
「ハルタです。突然話しかけてすみません」
「いえいえ。嬉しいです、声かけていただけるの」
「ロックテイストのコーデなら私にお任せください。僕、昔ロックバンドのヴォーカルしてたので」
「それは心強い!是非お願いします」

  

ハルタの手解きにより、華麗なる変身を遂げたスミレとカビンゴ。
「良かったねカビンゴちゃん、ロングサイズのベルトとネックレスあって」
「品揃えが良いンゴ。ハルタさんもセンス抜群だンゴ」
「ここで1つ謎かけを。ロックとかけて野球ととく」
「あっ、えーっと、その心は!」
「どちらもベースが欠かせません」
「上手いです〜!」
「今は落語家をやっております。今日も公会堂で一席披露してまいりました。夜はお寿司です」
「えっ?私達も夜はお寿司です。鮨つぐさんに」
「奇遇ですね!僕もですよ」
「ホントですか?えじゃあ一緒に行きましょう」
「ではお言葉に甘えて」

  

モダンな雑居ビルの2階に鮨つぐはある。毎月1日0時に3ヶ月先の予約枠が解放されると、あっという間にその月の枠が埋まってしまう人気店。スミレはビギコンおよびチャーミングカップのご褒美として個室を押さえていた。
*筆者は1人で、カウンター席にて食事しました。

  

ビルに入るスミレとハルタを、ボケット団が目撃していた。
「あれぇ、高級寿司屋に男と入っていった」
「パパじゃないの?」
「スミレのパパには前会っただろ、忘れたのか?」
「じゃあパパか……」
「子供向けアニメでそういうこと言うんじゃない!」
「いずれにせよ贅沢三昧だニャあやつら」
「甘々アザトトガールよ、地獄を見るがいい」

  

ボケット団の接近などつゆ知らず入店したスミレ一行。暑かったので、カビンゴとハルタは生ビールで乾杯する。

  

初手からいきなりヤマグチエリア(山口県)の鮪、それも中トロが登場する。ネタは少し濃いめのタレで味付けされていて、シャリは粒立ちがとても良い。贅沢な寿司に顔が綻ぶ一同。
「美味しいンゴ。これが高級寿司というものなのかンゴ」
「そうだよ。ネタは分厚くてシャリがほろほろ解れるのが一流のお寿司なの」
「食べ応えもあって満足ンゴ」
「こりゃ謎かけしたくなりますねえ。ととのいました!」
「早っ!」

  

オオマシティ(大間)の漁師とかけて横綱を目指す大関ととく。その心は、つな(tuna・綱)をとるでしょう。

  

「すご〜い!よく思いつきますね」
「落語家ならこれくらいお手のものです。今日は全ネタにおいて謎かけ、披露しますよ〜!」
「私もちょっと考えてみよっと」
「僕も頑張ってみるンゴ」

  

ガリには甘酢が効いている。同時にもずくも提供された。上に載っている胡麻がものすごく香ばしい。

  

もずくとかけましてミルフィーユととく。その心はかいそう(海藻・階層)となっています。
「まずはこういう同音異義語で考えてみるとやり易いかもね」
「難しいンゴ。スミレさんは頭の回転速いから任せるンゴ」
「へぇ、頭の回転速いんですね」
「ウフフ、よく言われます。私のこと、またひとつ知れましたね」
「あぁ、ハハハ……」
「彼女はぶりっ子派のポケンモでもあるンゴ。これが通常運転だンゴ」

  

チバエリア(千葉)の鰹。清澄な身に、ニンニクのように強い葱の風味が染みる。
「僕できたンゴ。鰹とかけて鮪ととく、その心はどちらも美味しいンゴ」
「あぁ、ハハハ……」
「もうカビンゴちゃんったら、謎かけは2つの意味が重なるのが魅力なんだよ」
「やっぱり僕には無理ンゴ」
「でもナイストライ。可愛かったよ、ヨシヨシ」
「僕はこんな感じで」

  

鰹とかけてバナナととく。その心は、どちらもたたきうり(たたき、ウリ・叩き売り)にしています。
「高度な謎かけンゴ。僕には難しいンゴ」
「ゆっくり練習すればできるようになるよ。カビンゴちゃん、ファイト〜!」

  

ガリ以外にも漬物が出てくる。新生姜のガリ、そしてピリ辛で酒が進むはりはり漬け。

  

「3人なんですけど入れますか?」
「すみません、予約でいっぱいなんですよ。予約して来てくださいね」
「はーい……」
「あのお客さん、何もわかってないですね」
「確かに、普通良い店は予約して行くものですよね。ってか何か聴いたことある声だったような」

  

「入れないって」
「おいバカ、何で引き下がるのよ」
「もっと泳がせた方が良いかなって、魚だけに」
「上手いこと言わんでええ!乱入して鮪とカビンゴ掻っ攫えば良いものを」
「無理があるよサッチー。アオシマーに捕まっちゃう」
「意気地無し。じゃあアタイが……」
「待つニャ。あの空間に乱入は現実的じゃないニャ。出てくるのを待つべきニャ」
「……まあその方が確実か。どうせ仕事無いし、待つとしよう」

  

寿司2貫目はカスゴ。少し酢で〆ていて、凝縮された旨味に鱗の香ばしさが合わさる。
「カスゴなんて初めて聞いたンゴ」
「小さな鯛のことだよカビンゴくん」
「小さくても旨みが詰まっていて美味しいンゴ」

  

カスゴとかけておでんととく。その心は、どちらもつゆ(梅雨・汁)も美味しいでしょう。
「カスゴは春のイメージだけど、梅雨の時期でも美味い。少し学びも取り入れた謎かけです」

  

縞鯵はコクがありつつすっきりと解ける身。

  

縞鯵とかけてストッキングととく、その心はどちらもむれる(群れる・蒸れる)。
「鯵の群れですね。あれは圧巻です」
「僕なら一飲みするンゴ」
「カビンゴちゃん、め。食い意地張りすぎだよ」
「冗談だンゴ。僕だって風流は弁えているンゴ」
「もう、変なこと言わないの。困ったポケンモだねカビンゴちゃん」

  

ここで一旦海のものから離れ、味噌漬けクリームチーズが登場。味噌のコクがクリームチーズと交錯し凛とした味わいになる、ハズレの無い摘みである。

  

「ハルタさんはどんなポケンモ持っているンゴ?」
「僕はね、ゼンザーを3匹弟子にしているんだ」
「ゼンザー。ニコメ、シンイチって2段階進化していくポケンモちゃんですね」
「そうそう。でもポケンモ持ち始めたのつい最近だからね、まだ1匹も進化できていない」
「じゃあ後でファイトやります?」
「ぜひぜひ!」

  

本当は次に生牡蠣が提供されるのだが、中の人の意向により変更を依頼。ミル貝が登場した。コリコリとした食感に磯の香り。

  

はみ出している貝とかけて話題作ととく。その心は、みるがいい!
「ちょっと難しかった。ミル貝は心の方に持ってくるしかなかった」
「ミル貝、個性的な見た目ですよね」
「ちょっとアレっぽいンゴ」
「カビンゴちゃん、子供向けアニメだから発言には気をつけてね」
「ムラムラルージュは出さないンゴ」

  

縞鯵が再び出てきた。今度はライムの味わいもあってさっぱり頂ける。
「私もできました〜!」
「おっ、いいねスミレさん」

  

ライムを絞った縞鯵のお寿司とかけまして、結束力の強い三姉妹ととく。その心は、どちらもさんみ(酸味・三位)一体となっております。
「素晴らしい!やっぱり頭の回転が速い」
「スミレさん格好良いンゴ」
「ハルタさんといえば知性の方ですから。大喜利の回答はいつもとんちが効いている」
「自虐やイジリも面白いけど、言葉遊びが一番落語家らしくて感心するンゴ」

  

茶碗蒸しに玉ねぎのすり流しを載せて。玉ねぎの仄かな甘みが心地良い。

  

高級寿司を楽しむスミレとは裏腹に、三位一体になれないボケット団は道端に落ちたパンを眺めていた。
「これを食べるか」
「食べるなよ、汚えな」
「ピンクの着物の落語家が言ってたよ、道端に落ちてる物を食うって」
「冗談に決まってるだろ。もっと頑張れよその爺さん」
「とにかく私は空腹の限界!食べさせてもらう!」
「腹壊したら終わりだぞ!」
「止めるな!」
「全力で止める!」

  

No.069 ゼンザー アクア派
シンイチの弟子として日々厳しい稽古に勤しむ。かつてはシンイチの家に住み込むのが義務であったが、時代の流れのせいか形骸化している。

  

スミレ一行は引き続き摘みを楽しむ。つぶ貝にライムを絞り、珍味である肝も添えて。肝は大人の味であり口に合わなかったが、身の食感は流石といったところ。
「カビンゴちゃん、もう一回やってみる?」
「頑張ってみるンゴ」

  

つぶ貝とかけて肩ととくンゴ。その心は、どちらもコリコリだンゴ。
「かかっているかは怪しいけど、共感性は高いね」
「カビンゴちゃんらしい可愛げのある謎かけだね。座布団1枚!」
「カビンゴ君も肩凝るんだね」
「凝るンゴ。体が重たすぎるンゴ」
「家帰ったらいっぱい揉んであげる!」

  

北寄貝の握り。一般的に、貝とシャリは何となく距離がありすぎる印象だが、煮切りにより上手く縮めていたと思う。

  

北寄貝とかけてスリーポイントシュートととく。その心は、どちらもかれい(カレー・華麗)に入れるでしょう。
「おお〜、これは芸術点高い!ありますもんね、北寄貝カレー」
「僕食べに行ったけど、美味いんだよねこれ。合わなさそうで合うの!」
「いつか一緒に食べに行きたいね、カビンゴちゃん」
「食べたいンゴ!」

  

一夜干しの目光はシンプルな焼きだが、ほんのり甘い脂が塩気と合わさって美味いものである。触発されたスミレが先にととのった。

  

目光とかけて神ととく。その心はシンカイ(深海・神界)にいます。
「神の界で神界。よく出たね」
「目光は深海魚、って聞いたことあるので、シンカイと読む熟語考えたら辿り着きました」
「スミレさんはラップもできるから、語彙力豊富だンゴ」
「僕はロッカーでスミレさんはラッパー。通じるものがありそうだ」

  

奈良漬けをあん肝で和えた摘みが登場。味わいたっぷりの濃い食材タッグの前では、カビンゴもハルタも日本酒欲を我慢できない。

  

日高見の夏酒を各々半合ずつ。フルーティさがありつつ夏の爽やかさ。1合近くあった気がする。
「隣の人、1合で頼んでたけど絶対もっとあるよね」
「サーヴィスサーヴィスだンゴ」

  

酒が入ると謎かけが加速する。太刀魚の炭火焼きは柔らかくて脂の載った美味いもの。
太刀魚とかけてゴルファーの脇ととく。その心は、締めるとうまく(美味く・上手く)なります。

  

ノーマルの鯵は分厚くカットして握り、鰹の時にも載せてあった葱と共に。
自宅の庭で鯵を天日干しするのが日課、とかけて、彼女の稼ぎを頼りにして暮らす彼氏、ととく。その心は、どちらもひもの(干物・ヒモの)生活でしょう。

  

贅沢にも鮑まで出てきた。

  

肝ソースを絡めて食感を楽しんだ後は、シャリを投入して拭いとる。

  

鮑とかけて私を愛してくれる人ととく。その心は、とどのつまり片想い!一方通行だよ〜!
「どどど、どういうこと⁈」
「スミレさんは常識に囚われない人だンゴ。ルールを打ち破って自分の世界観を発揮するのが得意ンゴ」
「びっくりしちゃうじゃない。でもなんか良いな……」

  

「ゼンザーって確か、育成に時間かかるんですよね」
「そうだよ。ゼンザーからニコメまで3年、ニコメからシンイチまでは15年かかる。途方もない道のりだね」
「なら今夜はムテキロウとファイトします?」
「そうだ、スミレさんはムテキロウ使いだったね」
「晩成型どうし、少しでもファイト重ねて経験値積みましょう」

  

少し間を空けてくれるとのことだったのでファイトを開始する。先攻はゼンザーから。
「いけゼンザー、ごこうのすりきれだ!」
「ロォ!」
「強いねスミレさんのムテキロウ」
「いけムテキロウ、ごろうのいぶきだ!」
「ゼンゼゼン…」
「流石ムテキロウ。トレーニングもよくされていますね。負けないぞ〜、いけゼンザー、ナンドキディだ!」
「ロロロロォ!」
「いけムテキロウ、アスクレピオスで絡め取れ!」
「ゼーーーン!」
「ゼンザー、どうだ?立ち上がれるか?」
「ゼン……」

  

「おいアザトトガール、いつまで食事してんだよ!」
「ぼ、ボケット団⁈何故ここへ⁈」

  

「何故ここへ、と言わ(以下略)」
「おいこら、こちとら今美味い寿司食っとるんじゃい、邪魔すんな!」
「すすスミレさん⁈急にヤンキー喋りに……」
「これも通常運転だンゴ」
「今日こそそのカビンゴを奪ってやる!」
「話進めんなよ勝手に!客の迷惑とか考えろよ」
「アタイらは気にしないね」
「呑気に寿司食いやがってよ、こっちにも分けてもらいたいよ金ねぇんだよ!」
「なら努力せんかい!お前らはいっつも喧嘩ばっかでろくにファイトできてねぇ。私と張り合うなんて3年は早いな!」
「あーらあらあら説教でちゅか?よくできまちたね」
「酷いねこの女の子達。スミレちゃん度胸あるな」
「いつもの団体芸だンゴ。最終的にスミレさんが勝つから安心するンゴ」
「お客さん、もうすぐ握り仕上がりますのでお席の方へ」
「は〜い」
「ボケット団は入ってくるなンゴ。ファイトやるなら後にするンゴ」

  

自慢の図体でボケット団を外に封じ込めたカビンゴは、チョウシポート(銚子)の金目鯛に感動する。皮をちょっと炭火焼きにすることにより香ばしさが生まれ、初めはサクッと、その後ほっくり解れる身と調和する。中々の絶品である。
金目鯛とかけて威力の高い技ととくンゴ。その心は、どちらもみにつける(身、煮付け・身につける)と良いンゴ。

  

サーモンではなく紅鮭。藁焼きにしており、スモーキーな世界観が特徴的。臭みとは無縁である。
鮭とかけてYOASOBIととくンゴ。その心は、立派ないくら(イクラ・ikura)を抱えているンゴ。

  

「カビンゴちゃん、調子出てきたね!」
「美味しい魚の連続で頭がよく回るンゴ」
「生魚も良いけど、適度に焼きを入れた魚は旨味が増すね。勉強になった」

  

車海老は臭みが無くて純粋に美味しい。
車海老とかけて師匠の前の僕ととく。その心は、どちらも腰がよく曲がります。
「まさかの自虐ネタ」
「でも綺麗な自虐ンゴ。洒落が効いているンゴ」

  

バフンウニの軍艦は相対的に普通であった。
バフンウニとかけてぴょんぴょん跳ねるととく。その心は、どちらもあまがえる(海女が得る・雨蛙)。

  

「もう我慢ならない、勝負させろ!」
ボケット団が痺れを切らし再び乱入した。
「いいでしょう。でもここでは迷惑なので外で」
「……わかったよ」
「ハルタさんもご一緒に!」

  

「さて、今俺のカビンゴは回転が速い。無敵状態よ」
「あんなに甘々なスミレさんが『俺』って言ってる……」
「いけカビンゴ、ガスレーダーだ!」

  

「ふん。まだまだよ。いけサムリナ、サムいないよるだからだ!」
「ンゴオォォ!」
「未知の技出してやったぜ。だいぶ効いたようだな」
「はは〜ん。ならこっちも未知の技試してみるかのぅ。いけカビンゴ、つるちゃんごめんね!」

  

「きゃ〜!身動きがとれない!」
「なんて技持ってんだよ!」
「いけカビンゴ、ぼけっとパンチだ!」

  

「ああもう何がいけなかったの!」
「寿司も食えないしカビンゴも獲れないし!」
「いやーんばかーん!」

  

容易く平和が戻り、夕餉も最終盤に突入。穴子は控えめで穏やかな味わい。
穴子の寿司とかけてボケット団ととく。その心は、どちらもつめ(ツメ・詰め)が甘いでしょう。

  

ネギトロはカビンゴ曰く、葱は要らないとのことである。鮪そのものを味わいたい、とか贅沢なことを宣う。
ネギトロとかけて卒業証書ととくンゴ。その心は、どちらも巻物ンゴ。

  

ギョクで食事は終了。たっぷりの寿司と謎かけを楽しみ、大食いカビンゴも満腹である。

  

水菓子のピーチパイン。濃くも淑やかな甘さで、口直しおよび〆に最適な夏の果物である。

  

会計は予約サイトTablecheckにて決済される。コース単体は1人13,200円であり、酒もそれほど飲まなかったため15,400円で済んだ。トーキョーエリアでは2倍以上取られてもおかしくない量と質で大満足である。
「適度な味付けによって魚それぞれの個性が判るようになっている。素晴らしい寿司屋だねここ」
「自分へのご褒美にまた来よう。カビンゴちゃんも来たい?」
「勿論ンゴ。それまでにとんちを言う練習しておくンゴ」
「ハハハ。いずれ落語もやってみるかい?」
「正座ができないンゴ」
「あらまあ。可愛いねぇカビンゴちゃんは」
「今晩はありがとうございました。ゼンザーにとっても良い経験になったと思います」
「また会った際はファイトしましょう」
「最後に1つ。スミレさんのカビンゴ使いとかけまして、陸上トラックの最も外周を走るととく。その心は、どちらも右に出る者はいないでしょう」
「よっ!座布団10枚!」

  

素晴らしいお寿司を素晴らしい落語家と共に味わい大満足のスミレとカビンゴ。次なる大会・ユイガビーチオープンへ向け一段と士気を高めた。次はどんなポケンモと出会えるだろうか。

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