女性アイドルグループ・TO-NAにて屈指のあざとさを誇るメンバー・レジェ。TO-NA特別アンバサダー・タテルとタッグを組み、国民的アニメのリメイク版『めざせポケンモマスター』の主演を務める。横浜ベイエリアのとある場所にあるスタジオにて。
「SEASON2のアフレコを始めます!カビンゴ役、そしてムゲンシャ役のタテルです!」
「スミレ、スミレママ、そしてスミレジェ役のレジェです!」
さらにスミレの手持ちポケンモの声を、外部グループも含めた人気アイドルが担当する。
「スーミュラ役のTO-NAスズカです!」
「ムテキロウ役の希典坂MAYOです」
「ハムライピ役のOCHA ZIPPERるなぴっぴです!」
「皆さんご協力いただきありがとうございます。神奈川が誇るスーパーアイドル揃いということで」
「待ってください、私神奈川出身じゃないです」
「えっ、俺のリサーチミス?本当はどこでしょう?」
「リンダリンダ王国∞です!」
「なるほど、リンダリンダ王国が神奈川県にあるわけですね」
「ちがいます!リンダリンダ王国∞はリンダリンダ王国∞です!」
「こりん星は千葉県にあって…」
「こりん星は爆発しました!」
「そしてこちらが敵役ボケット団」
「ミッチー役のベリナです」
「サッチー役の524です」
「ドラネコ役のタマキです」
「我らがTO-NAの悪が似合う3人娘です」
「その紹介やめてください」
「そうですよ。もっといますよ、悪が似合う人」
「アイツらは麵包超人の悪役に回してる。めざンモはこの3人で悪を描く」
「はい…」
「じゃあ前シリーズを少し復習いましょう」
ヤマシタタウンに住む18歳の少女・スミレは、ポケンモマスターの道を歩み始めた。しかし初日のお渡し会に遅刻し、最初の手持ちポケンモを得られず。失意の中、優しい心の持ち主にしか姿を見せない希少ポケンモ・カビンゴに出逢い、幸運なことに手持ちとなってくれた。
最初のうちはまともにファイトもできず、お情けで手持ちを得ていた。だが手持ちの少なさに気づくと立て続けにハムライピ・ムテキロウをゲイン。そしてスミレ自身もぶりっ子派ポケンモ・スミレジェであることが判明、というところまでがSEASON1。
SEASON2は、トレーナー歴半年未満の新米トレーナーが集うファイト大会「ビギナーズコンペ」までを描きます。いよいよ各ポケンモのファイトが本格的に始まります。進化形のあるムゲンシャ・ハムライピ・ムテキロウは進化をするのか?ここも見どころですね。
「さらに、今シーズンから各話、神奈川に縁のある豪華有名人がゲスト声優を担当します。記念すべき第1話ゲスト、サッカー好きのレジェならきっと喜んでくれるでしょう。ではアフレコ始めます」
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「カビンゴちゃん!朝9時になったよ、付き合おう!」
「ンゴッ⁈」
「今日もおっきくてかわいいね!」
「ンゴ!」
「ビギナーズコンペに向けて、練習頑張ろう!」
「ンゴォ!」
相変わらずぶりっ子ひとつで怠い巨体を起き上がらせてしまうアザトトレーナー・スミレ。新米トレーナーが鎬を削るビギナーズコンペまで残り1ヶ月を切っていた。しかしポケンモ集めに時間がかかったせいで、スミレは個々のポケンモを育成しきれていない状態であった。
ここで育成について説明しよう。ポケンモを強くする上で欠かせないのが、ファイトの経験である。人間もそうであるが、戦いを通して生き物は強くなるものである。負けてもいいから果敢にファイトを重ねる、それがほぼ唯一の強化の仕方である。また、進化形のあるポケンモは、ファイトを通じてランクを上げないと進化に至らないものである。
「ママ、進化させるならやっぱりムゲンシャちゃんかな?」
「そうだね。ビギコンに間に合わせるならムゲンシャちゃんかな。2段階進化だもんね、最初の進化なら比較的早くできるんじゃない?」
「ありがとうママ!ムゲンシャちゃん、今日ファイト頑張れそう?」
「シャー!」
「頑張れる。良かった!」
「今日はサッカーを観に行きましょう!ホームの試合のチケット、取ってあるからね」
コヅクエタウンのスタジアムに繰り出したスミレとスミレママ、カビンゴ、ムゲンシャ。実はスミレ母娘は生粋のマチノスサポーターである。特に贔屓にしている選手はユウジ(cv.中澤佑二)である。
「すご〜い!今のディフェンド、ユウジにしかできないね!」
「やっぱりユウジはカッコいい!手持ちにいたら向かう所敵なしだわ」
「シャー!」
「ムゲンシャちゃんも夢中になってる〜。憧れちゃうよね」
「シャー!」
「僕、サッカーのことわからないンゴ。あのボールは食べられるンゴ?」
「ウフフ。食べられないわよ」
「ラムボールじゃないからね。はい、カビンゴちゃんにはサッカーボールチョコあげる!」
「ありがとうだンゴ!」
「サッカーはね、ボールを自陣のゴールに運び入れるスポーツなんだ。相手チームが持つボールを奪ったり、逆に奪われないようにどうボールをゴールへ運ぶか、競い合うんだよ」
「面白いンゴ」
「ユウジさんはタフな体格でディフェンスで大活躍してる。一方で攻撃もお手のものなんだ。ほら、早速ゴール決めた!」
「これがゴール、すごいンゴ」
試合はユウジのハットトリックでマチノスが勝利した。試合終わり、ユウジは飼っているほむら派ポケンモ・ボンバーをコートに招く。
「ボンバー!キミのおかげで俺は点を決められた。今日もありがとう」
スタジアムは歓声に包まれる。しかしアウェーのサポーターの中には快く思わないヤツもいるもので、その一員がボケット団の面々である。
「マチノス強すぎ〜。何だよ、ズルすぎるだろユウジ」
「それな。でも安心しなさい、我らがヘッセルコーベには勝てないわよ」
「サッチー、去年のチャンピオンだからって調子乗らないでよ。アジャパフコーカだって負けないからね」
「チャンピオン争いに絡んでこないチームが何を言う」
「タイトル戦勝っているんだよこっちは。他所を見下さないでもらえる?」
「喧嘩は止めるニャ!ニャーは何もわからないニャ!」
「わからないなら口出ししないで!」
一方、スタジアムを後にしようとするスミレ一行。しかし肝心のスミレの姿が見当たらない。
「あれ?スミレさんどこ行ったンゴ?」
「また誰かさんの後ついていっちゃったみたいね。えーっと、あら!コートの方に行ってる」
「シャー?」
「スミちゃ〜ん、そっちは出口じゃないよ〜!」
「こんにちはユウジさん」
「こ、こんにちは…」
「ンゴ!」
「あれ、キミはもしかしてカビンゴくん?客席にいたよね?」
「ンゴ!」
「カビンゴちゃんは私の相棒なんですぅ」
「すごい、カビンゴのトレーナーなんてそうそういない。しかもだいぶお若そう」
「トレーナー始めて半年経ってないです」
「それでカビンゴを⁈すごいですね。お手入れもしっかりしているし、愛情をたっぷり注いで育てているのがわかります」
「スミレさんは最高のトレーナーだンゴ!」
「ありがとう〜!そして一つご相談なんですけど、もう1匹、私の自慢の手持ちを連れてきまして」
「シャー!」
「お、ムゲンシャか。俺のボンバーとファイトしたい、とでも言いたいのか?」
「あぁダメですよね。烏滸がましかったです…」
「やるよ。むしろ俺の方から協力させてください」
「いいんですか⁈ありがとうございます!」
「その前にメシ食べようか。今日は美味しい味噌ラーメンの店が出張してるんだ」

そのラーメン店とは、ノゲタウンにある「すみれ」。シンオー地方(現実世界でいう北海道)を代表する味噌ラーメン店の支店である。席数は結構あって、テーブル席も充実しているが、それでも昼夜ピーク時には行列ができる人気店である。
「味噌ラーメンだ!ずっと外にいたから、体に染みるんだろうなぁ」

その味噌ラーメンを、何故かボケット団の一味も盗み食いしていた。
「…いつもアタイらが食べるラーメンの味だわ」
「美味しいんだけどね、特別感が無いというか」
「麺の弾力とか、味噌のコクとか、感じられないな」
「そうそう。肉がかっちりしているから、チャーシューメンだとバランス悪くなりそう」
「2人とも贅沢ニャ!寒さで感覚が鈍ってるだけニャ!」
「…それはそうかな」
「ヤバい、アザトトガールらが来る!隠れて!」

「味噌ラーメン、美味しかった〜!」
「食べていくうちに麺とスープが馴染んできて美味しかったンゴ」
「よっしゃ、じゃあやるかムゲンシャくん」
「シャー!」
フィールドに繰り出しタイマンファイトを始めるムゲンシャとボンバー。
「えーっと、ボンバーの情報は…」
126 ボンバー ほむら派
レジェンドポケンモ
歳をとっても衰えることのない強靭な肉体で相手の攻撃を止める。ファイトフィールドを降りれば茶目っ気たっぷりで冗談もよく言う。
「ムゲンシャちゃん、粘り強く攻撃してみよう!効果なくても大丈夫、自分の全力をぶつけて!」
「シャー!」
「じゃあスミレさん先攻でどうぞ」
「いきます。ムゲンシャ、ヒーハーりゅうだ!」
効果はほとんどないようだ。ほむら派の技をほむら派に出しても、今ひとつ刺さらないものである。
「これは消耗戦になるかもね」
「でもその分長くファイトをやれるかもしれない。初めてのトレーニングにはうってつけかも」
「ボンバー、アドレナリンずっとだ!」
「シャシャシャ、シャー!」
「ユウジさんのボンバー、強い…でも負けてはいけない。ムゲンシャ、もう一度ヒーハーりゅうだ!」
「シャー!」
「同じ技を2度使っても効かないものは効かない。複数の技を覚えさせるべきだスミレくん。いけ、ボンバー、ゴザンおくりびだ!」
「シャアァー!」
「ムゲンシャちゃん!もうダメ?」
「シャー…」
「もうちょっと頑張る?わかった、じゃあもう一回だけ…」
「おいアザトトガール、アタイらが相手してやるぜ!」
「ボケット団⁈何でここに⁈」
「何でここにって言われたら!」
「答えてあげるが世情なり!」
「ディストピアの中にユートピアを」
「人類みなピースフルであるために」
「不器用でヘタレな悪を貫く」
「ちょっと憎めぬ敵役」
「ミッチー!」
「サッチー!」
「陸海空を駆け回るボケット団の二人には」
「ヴィンソンマシフ白い明日が待ってるぜ」
「ニャンちゃって!」
「おいアザトトガール、お前が今相手してるのは腐っても一流選手だ」
「腐っても、ってどういうことだ!」怒るユウジ。
「ユウジのポケンモと闘うなんて贅沢だ。アタイらのポケンモでコテンパンにしてやるさ」
「じゃかあしいのうテメェら!」ヤンキーのすがたになったスミレ。
「ヤンキーごっこなんてされても怯まねぇよ」
「ごっこじゃねぇ、ナチュラルだ。今お前らはここにいる全員を傷つけた。スポーツマンシップの欠片もないようだな!」
「アタイらアスリートじゃないから。サッチー、自慢のポケンモでやってしまいなさい」
「あいよ!いけコニシン、メタリックワイパーだ!」
「待てい!先攻後攻は話し合って決めるはずだよな?ちゃんとフェアプレーしろよ」
「知らねぇよ、やっちゃえ!…あれ、効果がない」
「当たりめぇだろ、メタル派の技がほむら派に刺さる訳ねぇじゃん!」
「あそっか、すっかり逆だと思ってた」
「基本中の基本だろサッチー。右も左もわかんないの?」
「右と左はわかるよ」
「東と西は?」
「…わかんない」
「サッチーに任せた私がバカだった!」
「何よその言い方。バカにしてる?」
「してるよ!普通やらないでしょあんなミス」
「じゃあテメェがやれよ!」
「口が悪いんだよ!」
体を震わせるスミレのカビンゴ。
「どうしたのカビンゴちゃん?寒い?」
首を横に振るカビンゴ。すると間も無く、ボケット団の方を鋭い目つきで見る。
「ンゴ、ンゴオォォォ!」
「何すんのあのカビンゴ⁈」
「うわうわ、やめるニャ、ああ!」
「いやーんばかーん!」
カビンゴのバカモーンでボケット団は吹き飛ばされていったが、ムゲンシャは寒さにやられファイト不能となった。
「シャー…」
スミレはホイッスルを吹いた。(ちなみにスミレ役のレジェが実際にアフレコ現場で吹いたものを使用している。今回は力みすぎて音が掠れたがそのまま使用した)
「ムゲンシャちゃん、お疲れ様。ヴァイオレットカードです!」
「シャー?」
「頑張ったみんなに出されるカード、それがヴァイオレットカード。ムゲンシャちゃんはよく頑張ったよ」
「そうだぞムゲンシャ。さっきのメタル派ポケンモの技、全く物ともしなかった。弱っていた体でよく耐えたよ」
「シャー…」
「攻撃も、ボンバー相手だとどうしても負けてしまうけど、ビギナーズコンペだったら十分活躍できるレヴェルに仕上がっている」
「シャー!」
「スミレちゃんもお見事だ。ポケンモ達との信頼関係がこれほどしっかりしているトレーナーは見かけない」
「ありがとうございます!」
「サッカーもそうだけど、チームメンバーの信頼関係は最も重要なファクターだと思ってる。もう少し実戦を積めば、スミレちゃんは立派な監督になれると思う」
「頑張ります、監督兼選手として」
「どういうことだ?」
「スミレさんは151番目のポケンモでもあるンゴ。幻のポケンモ・スミレジェだンゴ」
「幻のポケンモ…そ、それは…」
「自分でもよくわかってないんですけど、私、強いみたいです」
「只者じゃないぞ、この人、いや、ポケンモ…?」
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