人気女性アイドルグループ｢綱の手引き坂46｣と｢檜坂46｣によるチョコレート対決が行われることになった。綱の手引き坂は特別アンバサダー・タテルの力を借りて日本のチョコレートを、檜坂はフランス帰りのプロデューサー・カケルの力を借りてフランスのショコラを実食、厳選した5粒をチョコレート通でお馴染みのレジェンドアナウンサー・輔古里江(たすく・こりえ)が審査し雌雄を決する。
若手芸人バラエティ『早朝のオリーブオイル』にゲスト出演したクラゲ。収録終わり、タテルの元に呼び出された。
｢お疲れ様。収録楽しかった？｣
｢最高です！毎週観てる人達に生で会えてもう幸せでした｣
｢クラゲちゃん本当この番組好きだよな。次はガッツリ芸人と絡む企画に呼んでもらいたいね｣
｢はい！｣
｢それじゃあチョコレートテイスティングを手伝ってもらおうか。クラゲちゃん、お見立て会以来チョコトレしてる？｣
｢チョコトレ、ですか？｣
｢チョコ食べてる？｣
｢楽屋に置いてあるお菓子くらいしか食べないですね…｣
｢まあそういうもんだよな。夏はすぐ溶けるし重いしで食えないから。そんな君に食べてもらうチョコはこちら！｣
｢うわぁ、凄そう。ナンバリングされてますね。宝石みたい｣
｢お見立て会に参加して下さった辻口氏のチョコだ。同じ北陸出身の人に食べてもらいたくてクラゲちゃんを選んだ｣
｢ありがとうございます。うわぁ楽しみだ｣
｢集中してゆっくり食べるんだぞ。1粒600円以上する計算だからな｣
｢た、高い…」血の気が引くクラゲ。
気を引き締めて、まずは波照間島の黒糖。黒糖結晶を下1/4にまとめ残りはラム酒ガナッシュ。入りはラムの香りが強いが、その後黒糖の雰囲気がバチバチと伝わる。ラムと黒糖のBE MY BABYである。
続いて豆腐よう&洋梨。一口目は洋梨ガナッシュが舌に触れたため洋梨の味のみした。それでも洋梨の香り高さが色濃く表現されており感心する。続いて豆腐ようの面を舌に当て食べるとまろやかな塩味が洋梨に融和。同じ1粒の中でも変化があって面白い。
｢こんな小さな粒なのに色々な表現が浮かぶ。面白いですね｣
｢さすが読書家のクラゲちゃん。本当に美味しい高級チョコは語彙力を高めてくれるものだ｣
後半戦は琉球紅茶から。名前とは裏腹にマカダミアの要素が強い。勿論マカダミアジャンドゥーヤとして食べれば満点の味わいなのだが、沖縄要素はほぼ消失。要素が多すぎると茶の味は隠れてしまうし、北谷の塩も然程効果的では無さそうである。
島胡椒ハイビスカスも、胡椒の味がよくわからない。ハイビスカスの味も親しみが無く、やっぱりよくわからない。
｢後半がちょっと難解だったね｣
｢そうですね｣
｢『琉球』という作品としては不完全燃焼の感があるけど、チョコレートとしては上質｣
｢美味しかったですね。私は黒糖が特に印象に残りました｣
｢俺もだ。代表候補に入れてみよう｣
｢輔さんもきっと喜ぶでしょうね｣
｢そうだと良いけど。あの人フランスのチョコに慣れているからな…｣
｢でも檜坂さんチームはその食べ慣れたフランスチョコ持ってくるんですよね？｣
｢多分ね。さすがのカケルもマイナーな店の商品は持ってこれないと思う｣
｢新鮮さなら私達の勝利ですね！｣
｢そうだね。ありがとう、自信出てきた｣
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