パン百名店アニメ『真・麵包超人』12.麵包超人と桃色家の菜緒 前編(KIBIYAベーカリー本店/鎌倉)

人気女性アイドルグループ「TO-NA(旧称:綱の手引き坂46)」メンバーが豪華声優&ゲストとお届け!パン百名店アニメ『真・麵包超人』
☆登場キャラクター
麵包超人(cv.TO-NAミレイ)…この世界を守る英雄。だが嗲が酔っ払いのそれ。
病毒小子(cv.TO-NAマリモ)…麵包超人の永遠の敵。麵包工場をぶっ壊す!
心跳小子(cv.TO-NAヒナ)…自己的作法な女子。病毒小子の家に居候。
火腿爺爺(cv.山寺宏一)…麵包超人の生みの親。好物は加工肉と三鞭酒。
腸子妹妹(cv.平野綾)…火腿爺爺とは事実婚の関係にある。好物は海鼠腸と紹興酒。そのため火腿爺爺とは晩酌の内容を巡って頻繁に喧嘩する。
酸奶(cv.山寺宏一)…麵包超人に助けられ麵包工場で飼われることになった猫。
咖喱麵包超人(cv.TO-NAパル)…辛口咖喱が中に入っている。口癖は「辛辣」でshu。
吐司麵包超人(cv.TO-NAヒヨリ)…美形だが自恋者。彼女の作る吐司は給食としても大人気。

  

腸子妹妹「皆、大事なお知らせがあります」
麵包超人・咖喱麵包超人・吐司麵包超人「何だろう?」
火腿爺爺「働き方改革の波がこの麵包工場にも押し寄せ、麵包超人達は長期休暇を取ることが義務化された」
麵包超人「でもあたち、偵察に行かないと」
咖喱麵包超人「そうだそうだ、私達の助けを求める人は必ずいる」
火腿爺爺「だが昨今の流行は法令遵守だ。視聴者が火を吹いて支援者が撤退したら私達の命が危ない」
吐司麵包超人「裏事情話さないで下さいよ」
火腿爺爺「兎に角これは業務命令だ。明明後日から1週間は偵察など忘れて、雪乃下にある結衣浜で静養しなさい」
麵包超人「海だ!」
咖喱麵包超人「楽しそう!」
麵包超人「浮輪何持って行こうかな。スワン、帆立貝、虹の載った雲…」
火腿爺爺「おいおい、夜間泳地じゃないんだから」
吐司麵包超人「水着はやっぱ比基尼かな〜」
腸子妹妹「皆、これは子供向け番組よ。際どい水着は着用禁止」
一同「はい…」
火腿爺爺「顔が濡れて力出なくなるといけないから、替えの顔沢山焼いておくね」
一同「は〜い!」

  

病毒小子「波部〜、暑い…」
心跳小子「病毒小子が悪いんだからね、部屋の中で網球して、球ぶつけて冷氣壊して」
病毒小子「反省してます…」
心跳小子「需要が多いから、新しい冷氣の設置工事は1週間後だって。私、結衣浜に度假行くから留守番してて」
病毒小子「お、おい!狡いぞ!」
心跳小子「病毒小子は天才科学者なんでしょ。嫌なら自分で直せば?」
病毒小子「無理!」
心跳小子「あっそ。じゃあ水分補給忘れずに、塩分もちゃんと摂ってね〜」
病毒小子「波部…」

  

〜金剛石のように輝く海を、火腿爺爺の運転で兜风〜

  

火腿爺爺「着いたよ、ここが皆の泊まる宿『桃色家』だ」
桃色杉子(cv.森尾由美)「皆さん、歡迎『桃色家』へ。この日本家屋で、古き良き悠久の夏休みをお過ごし下さい」
吐司麵包超人「憧れでしたね、こういう夏休み」
咖喱麵包超人「西瓜割り、負けませんからね」
麵包超人「冷たい素麺を冷たい啤酒でクィ!」
咖喱麵包超人「おいおい、子供向け番組で酒の話は無しだぜ」
桃色杉子「さあさあ、暑いですから居間に上がって、麦茶でも飲みましょう」
麵包超人達「はーい!」

  

心跳小子「あれ、麵包超人だ…あっ!吐司麵包超人様〜!」
吐司麵包超人「心跳小子、もしかして今日ここに泊まるの?」
心跳小子「そう。まさか吐司麵包超人様とご一緒できるとは…」
吐司麵包超人「宜しくね」
桃色杉子「さあ素麺が茹で上がりましたよ〜、喧嘩せず食べてね」
麵包超人達・心跳小子「はーい!」
麵包超人「ちゅるちゅるでうまみーちゃん!」
咖喱麵包超人「相変わらず酔いどれてんな」
吐司麵包超人「いいじゃないですか。夏らしくて楽しいですね」
心跳小子「優しい吐司麵包超人様と一緒だから尚楽しい!」
麵包超人「あれ?あの子、何で居間の隅で蹲っているの?」
桃色杉子「ああこの子?私の娘よ。菜緒、って言うの。ちょっと人見知りでね、話しかけても何も返事しないわ」
咖喱麵包超人「でもどうして居間に?自分の部屋とか無いんですか?」
桃色杉子「あるけど、寝る時以外は入りたがらないのよ」
心跳小子「不思議な子ね。何がしたいんだろう」
麵包超人「あまり刺激しない方がいいよ。じゃあ海に行こうか。菜緒ちゃんも行く?」
桃色菜緒(cv.TO-NAナオ)「…」
麵包超人「そっか。お留守番宜しくね」

  

〜海で鱈腹遊ぶ麵包超人達〜

  

麵包超人「顔を取り替えて、と」
咖喱麵包超人「夕飯は何だろう?」
桃色杉子「はいできたわよ〜、夏と言えば咖喱!」
心跳小子「待ってました!」
吐司麵包超人「夏野菜たっぷりですね」
咖喱麵包超人「咖喱にはうるさいぞ〜」
麵包超人「やめようそれ。家の咖喱は違った魅力がありますからね」
咖喱麵包超人「冗談だって…」
心跳小子「菜緒ちゃん、咖喱食べよう」
桃色菜緒「嫌だ」
桃色杉子「菜緒は夏野菜も咖喱も苦手なんだよ」
麵包超人「珍しいですね」
心跳小子「全く、少しは愛想見せなさいよ」
桃色菜緒「フンッ!」
吐司麵包超人「心跳小子、怒るのは良くないよ」
心跳小子「そうだけど…」

  

〜3人で川の字に寝る麵包超人達〜
麵包超人「心配だね、菜緒ちゃん」
吐司麵包超人「そうだね。どうにかして心開いてもらいたい」
咖喱麵包超人「そっとしてあげた方が良くない?私達は確かに困っている人を助けるのが職務だけど、人を勝手に困っている扱いするのは正義に反するぜ」
麵包超人「そうよね。でもやっぱり心配…」

  

〜翌朝〜
麵包超人「杉子さん、心跳小子は未だですか?」
桃色杉子「心跳小子はのんびり寝てたいらしいよ。さ、朝食は地元の名店『KIBIYAベーカリー』の麵包ね!」

  

麵包超人「巧克力麵包(チョコパン)だ。少し酸味のある硬めの生地に巧克力がたっぷり」
咖喱麵包超人「俺はもう少し柔らかい方が馴染むと思うけどな」

  

吐司麵包超人「黒蜜麵包も美味しいです。黒蜜がちゃんと香りつつ昔懐かしい味。生地も餅餅です」
麵包超人「菜緒ちゃんも食べてるんですね」
桃色杉子「此処の麵包は大好きなんですよ」
吐司麵包超人「そうなんだ」

  

病毒小子「波〜比不部保〜!」
一同「病毒小子⁈」
病毒小子「やーい、何呑気に度假楽しみやがる。こんな古臭い家など、ぺちゃんこにしてやる」
〜鉄槌を止める麵包超人達〜
麵包超人「止めるんだ病毒小子」
病毒小子「うるせぇうるせぇ!」
桃色菜緒「病毒小子、止めて!」
一同「菜緒ちゃん⁈」
桃色菜緒「此処は私とお母さんの大事な宿なの!壊さないで!お願い!」
病毒小子「知るか!こんな暑苦しい宿、取っ払ってしまえ!」
心跳小子「病毒小子…」

  

〜病毒小子に打耳光する心跳小子〜
病毒小子「痛!何でこんなところに…」
心跳小子「邪魔しないで、って言ったよね。此処は快適な宿!病毒小子はさっさとお帰り!」
病毒小子「フンッ!今日のところはこれくらいにしてやる!」
桃色菜緒「有難う御座います、桃色家を守って下さって」
麵包超人「こちらこそ、菜緒ちゃんが喋ってくれて嬉しいよ」
桃色菜緒「御免なさい、昨日は黙り込んでしまって。私どうしても初対面の人に心を開けないんです…」

  

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