パン百名店アニメ『しん・あんぱんまん』0.あんぱんまん誕生

毎週金曜日にお送りするパン百名店アニメ『しん・あんぱんまん』。

この国のどこかにあるとされる安住の地「あんぱんまんの世界」。その中核を担う「はむオジサンのぱん工場」に今、新しい命が授けられようとしていた。

はむオジサン(cv.山寺宏一):「うーん、新商品の酒種あんぱん、どっちがいいと思う?」
あんぱんといえばケシの実をまぶしたものが有名だが、新しい試みとして桜の香りを付けたものも考えていた。
わたこサン(cv.平野綾):「どっちも販売すればいいじゃないですか」
はむオジサン:「そうはいかない。クライアントのざきやま製ぱんが1つに絞れとうるさいんだ」
わたこサン:「困りましたね…味は2つとも一緒で普通です」
はむオジサン:「普通で何が悪いんだい?普通だからこそいいんだうちのあんぱんは」
わたこサン:「けしの方は食感が面白い。桜の方はちょっとエグみがありますね」
はむオジサン:「じゃあけしの方がいいってことね」
わたこサン:「でもけしはトライポフォビアにはキツい。見た目は桜の方がしっくりきます」

試作を重ねる内に外は真っ暗になり、材料は桜あんぱん1つ分のみとなってしまった。最後の1つを焼いている最中、外では大量の流れ星が見られた。数千年に一度の規模の鬼束チヒロ流星群であった。
はむオジサン:「うわぁすごい流れ星だね」
わたこサン:「私たちの元まで落ちてきそうなくらいだわ!」
冗談のつもりで言っていたわたこサン。しかしぱん工場内部へ、数多の流れ星がなだれ込む。それらは釜の中の桜のあんぱんへ吸い込まれていった。閃光まぶしく目を背ける2人。

焼き上がるとそこに、顔と胴体のある生物が浮き上がる。
あんぱんまん(cv.綱の手引き坂46ミレイ):「あたち、あんぱんまんでちゅ」
わたこサン:「あんぱんが…生きてる!」
ハムおじさん:「ついに私たちの元に生まれてきた、大切な我が子だ!」
わたこサン:「あんぱんまん、これからどうぞよろしくね」

以来2人はせっせと生地をこねながら、出来上がったパンを売り歩きながら、あんぱんまんを大切に育て上げる。軈てわたこサンはマントを授ける。

ある日、北あるぷすの山の上のぽつんと一軒家へパンを届けに行った帰り、あんぱんまんは崖から転落した。追いかけるハムおじさんも勢い余って落ちてしまった。泣き喚くわたこサンをよそに、あんぱんまんはまだ小さな体で懸命にはむオジサンを受け止めた。
「人を助けるのって、こんなに心がwow wow yeah yeahするものなんだね」
こうしてあんぱんまんは愛と勇気とぶりっ子能力を味方につけた。さらに困っている生物の存在を察知し、崖の下の青木サヤカ樹海へ飛んで行く。
よーぐると(cv.山寺宏一):「ニャン、ニャン…」
樹海に迷い込みお腹を空かせていた猫のよーぐると。あんぱんまんは自らの顔をちぎって分け与えた。喜んで食べるよーぐると。あんぱんまんは連れて帰ることにした。

一方とある星では、かつてないほどの大きさの卵が発見された。害虫のような色合いで、人々は忌み嫌って誰一人近づかなかった。愛を知らないまま卵は孵化し、中から黒茶色したおちょぼ口の生物が現れた。
ナトキンマン(cv.タテル):「俺様はナトキンマン。誰からも愛されていない可哀想な奴さ。憎きあんぱんまんを倒すのが生きがいだ」
憎悪の気持ちはおちょぼ口をあっという間に横いっぱいに広げた。溶接工・操縦士・宇宙飛行士・一級建築士など難関資格を次々と獲得して、あんぱんまんを襲いに行くための飛行艇を製造した。
ナトキンマン:「俺様の納豆菌で、パンをネバネバにしてやる。そしてぱん工場を破産に追い込んでやる。ナッナッナッ!」

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